育児休業制度は、働きながら子育てをする親にとって欠かせない支援制度です。しかし、制度の内容は複雑で、取得条件や給付金の計算方法、手続きの流れなど、分かりにくい部分も多くあります。そんな時に頼りになるのが、厚生労働省が作成・配布している育児休業に関するパンフレットです。
厚生労働省のパンフレットには、育児休業制度の基本から具体的な申請方法、給付金の詳細、企業側の対応まで、必要な情報が網羅的にまとめられています。法改正による制度変更があった際には、速やかに内容が更新され、最新の情報を入手できる信頼性の高い資料となっています。しかし、パンフレットの種類が複数あることや、どこで入手できるのか、どのパンフレットを読めばよいのかなど、迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「育児休業 厚生労働省 パンフレット」をテーマに、パンフレットの種類や内容、入手方法から、パンフレットに記載されている育児休業制度の詳細まで、幅広く調査した情報をお届けします。これから育児休業を取得する予定の方、企業の人事担当者の方、制度について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
育児休業に関する厚生労働省のパンフレットとは?基本情報と入手方法
厚生労働省が作成する育児休業関連のパンフレットは、制度を正しく理解し活用するための公式ガイドです。まずは、パンフレットの基本情報と入手方法について詳しく見ていきましょう。
パンフレットの種類と内容の違い
厚生労働省が発行している育児休業関連のパンフレットには、いくつかの種類があります。対象者や目的によって内容が異なるため、自分に適したパンフレットを選ぶことが重要です。
最も基本的なパンフレットは「育児・介護休業法のあらまし」です。このパンフレットは、育児休業制度の全体像を把握するための包括的な資料で、労働者向けと事業主向けの両方の情報が掲載されています。育児休業の取得要件、期間、申出の方法、不利益取扱いの禁止、育児休業給付金の概要など、制度の基本事項が体系的にまとめられています。ページ数は30ページから50ページ程度で、詳しい説明と具体例が豊富に掲載されているのが特徴です。
労働者向けに特化した「育児休業や介護休業をすることができる期間や給付金について」というパンフレットもあります。こちらは、実際に育児休業を取得する労働者が知っておくべき情報に焦点を当てており、より実践的な内容となっています。育児休業の申出方法、給付金の申請手続き、社会保険料の免除、復職後の短時間勤務制度など、当事者が必要とする情報が分かりやすくまとめられています。
事業主向けには「育児・介護休業法に基づく制度を導入しましょう」というパンフレットが用意されています。企業が法律に基づいて適切に制度を整備し、運用するための指針が記載されています。就業規則への規定例、従業員への周知方法、育児休業取得者が出た場合の対応手順、助成金の活用方法などが詳しく解説されています。人事・労務担当者にとっては必読の資料です。
法改正があった際には、改正内容を分かりやすく説明する専用のパンフレットも発行されます。例えば、2022年の育児・介護休業法改正時には、「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」というリーフレットが作成されました。改正の背景、変更点の詳細、企業が対応すべき事項、施行時期などが、図表を用いて分かりやすく説明されています。法改正の内容を迅速に把握したい場合に便利です。
男性の育児休業取得を促進するための専用パンフレット「男性の育児休業取得促進等に関する参考資料」も用意されています。男性が育児休業を取得するメリット、企業における取組事例、産後パパ育休(出生時育児休業)の詳細、男性の育児休業取得率向上のための施策などが掲載されており、男性の育休取得を推進するための具体的な情報が得られます。
育児休業給付金に特化したパンフレットとしては、雇用保険制度の一環として「育児休業給付の内容及び支給申請手続について」という資料があります。こちらは、ハローワークでの手続きに焦点を当てた内容で、給付金の支給要件、支給額の計算方法、申請書の記入例、必要書類、支給スケジュールなど、給付金に関する詳細な情報が網羅されています。
Q&A形式でよくある質問に答える「育児休業制度Q&A」というパンフレットも便利です。実際に制度を利用する際に疑問に思いやすいポイントが、質問と回答の形式で整理されています。例えば、「配偶者が専業主婦(主夫)でも育児休業は取れるか」「育児休業中にアルバイトはできるか」「第二子の育休は取れるか」といった具体的な疑問に対する回答が掲載されています。
パンフレットの内容は法改正に合わせて定期的に更新されます。そのため、必ず最新版を参照することが重要です。古いバージョンのパンフレットでは、現行法と異なる情報が記載されている可能性があるため、注意が必要です。パンフレットには通常、発行年月や版番号が記載されているので、入手する際は確認しましょう。
各パンフレットはPDF形式でダウンロードできるため、スマートフォンやタブレットで閲覧することも可能です。必要なページだけを印刷して手元に置いておくこともできます。カラー版と白黒版が用意されている場合もあり、印刷コストを抑えたい場合は白黒版を選択できます。
パンフレットの入手方法と利用できる場所
厚生労働省の育児休業パンフレットは、複数の方法で入手することができます。最も手軽なのは、インターネットからのダウンロードです。
厚生労働省の公式ウェブサイトには、各種パンフレットがPDF形式で公開されています。厚生労働省のトップページから「政策について」のセクションに進み、「雇用・労働」カテゴリーを選択すると、育児・介護休業法に関するページにアクセスできます。そこに各種パンフレットへのリンクがまとめられています。検索エンジンで「厚生労働省 育児休業 パンフレット」と検索すれば、直接該当ページにたどり着くこともできます。
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)でも、パンフレットの配布を行っています。窓口に直接行けば、紙版のパンフレットを無料で受け取ることができます。電話で問い合わせれば、郵送で送ってもらえる場合もあります。労働局は各都道府県に設置されており、所在地や連絡先は厚生労働省のウェブサイトで確認できます。
ハローワーク(公共職業安定所)でも、育児休業給付金に関するパンフレットを入手できます。特に、育児休業給付金の申請手続きを行う際には、ハローワークで詳しい説明を受けながらパンフレットをもらうことができます。全国各地にハローワークがあるため、アクセスしやすい利点があります。
勤務先の企業を通じて入手することも可能です。多くの企業では、人事部や総務部が厚生労働省のパンフレットを常備しており、従業員に配布しています。妊娠や配偶者の妊娠を報告した際に、育児休業に関する説明と共にパンフレットを渡されることが一般的です。企業によっては、独自に作成した分かりやすい説明資料と併せて、厚生労働省のパンフレットを提供している場合もあります。
自治体の子育て支援窓口でも、育児休業に関する情報提供の一環として、パンフレットを置いている場合があります。母子健康手帳の交付時や、子育て支援センターの利用時に入手できることがあります。自治体によっては、独自の子育て支援制度と国の育児休業制度をまとめた資料を作成している場合もあります。
社会保険労務士事務所や労働組合でも、相談対応の際にパンフレットを活用しています。労働問題や社会保険に関する相談をする際に、育児休業について聞けば、パンフレットを参照しながら説明を受けられることがあります。
図書館や公共施設にも、行政資料として厚生労働省のパンフレットが配架されている場合があります。特に、都道府県立図書館や大きな市立図書館では、最新の行政資料を収集・保管しているため、閲覧や複写が可能です。
オンラインでの閲覧が最も便利ですが、紙版のパンフレットには書き込みができるメリットがあります。自分に該当する部分にマーカーを引いたり、メモを書き込んだりすることで、重要な情報を整理しやすくなります。また、家族と情報を共有する際にも、紙版の方が複数人で同時に見やすい場合があります。
パンフレットは無料で入手できるため、複数部もらっておくことも可能です。勤務先への提出用、自宅保管用、配偶者との共有用など、必要に応じて複数部を用意しておくと便利です。
電子版のパンフレットは、スマートフォンに保存しておけば、いつでもどこでも参照できます。通勤時間や休憩時間に内容を確認したり、人事担当者との面談時にその場で該当ページを開いたりすることができます。
パンフレットの最新版と更新頻度について
厚生労働省の育児休業パンフレットは、法改正や制度変更に応じて定期的に更新されます。常に最新の情報を入手することが重要です。
育児・介護休業法は、社会情勢や労働環境の変化に対応するため、数年ごとに改正が行われます。近年では、2017年、2021年、2022年と、比較的頻繁に改正が実施されています。法改正があると、パンフレットの内容も全面的に見直され、新版が発行されます。
2022年の法改正では、特に大きな変更がありました。男性の育児休業取得を促進するための「産後パパ育休(出生時育児休業)」の創設、育児休業の分割取得の容認、企業による育児休業取得の意向確認・情報提供の義務化など、重要な変更が複数ありました。これに伴い、パンフレットも大幅に改訂され、新しい制度の詳細説明が追加されました。
法改正がない年でも、年度が変わるタイミングで軽微な更新が行われることがあります。例えば、給付金の上限額が変更されたり、申請様式が改訂されたりした場合には、該当部分のみが修正された新版が発行されます。そのため、年度初めには最新版が公開されていないか確認することをおすすめします。
パンフレットには通常、表紙や裏表紙、または本文の最初のページに発行年月が記載されています。「令和○年○月版」といった形で明記されているため、自分が見ているパンフレットがいつのバージョンなのかを必ず確認しましょう。インターネットで検索した際に、古いバージョンのパンフレットがヒットすることもあるため、注意が必要です。
厚生労働省のウェブサイトでは、最新版のパンフレットが公開されると、古いバージョンは削除されるか、「過去の資料」として別のページに移動されます。ウェブサイトのトップページから辿り着けるパンフレットは、基本的に最新版と考えて問題ありませんが、念のため発行年月を確認する習慣をつけましょう。
法改正の施行日前には、新制度の内容を事前に周知するための「準備版」や「速報版」が発行されることもあります。これらは、企業が制度改正に向けて準備を進めるための資料ですが、施行後は正式版のパンフレットを参照する必要があります。
制度の経過措置がある場合には、その旨がパンフレットに明記されます。例えば、「令和○年○月○日以前に育児休業を開始した方は旧制度が適用されます」といった注意書きがあるため、自分がどちらの制度の対象になるのかを確認できます。
最新情報を確実に入手するためには、厚生労働省のメールマガジンに登録する方法もあります。雇用・労働に関する法改正や新しいパンフレットの公開情報が配信されるため、見逃すことがありません。企業の人事担当者には特におすすめの方法です。
SNSの活用も有効です。厚生労働省は公式のTwitterアカウントやFacebookページを運営しており、重要な情報が発信されます。育児休業に関する新しいパンフレットが公開された際にも、SNSで告知されることがあります。
古いパンフレットを参照してしまうと、現行制度と異なる手続きをしてしまったり、受けられるはずの給付を受け損ねたりするリスクがあります。特に、給付金の計算方法や取得期間の上限などは、法改正によって有利に変更されることが多いため、最新の情報を基に判断することが重要です。
勤務先から古いパンフレットを渡された場合は、最新版かどうかを確認し、必要に応じて最新版を自分で入手することをおすすめします。企業の人事部でも、常に最新のパンフレットを備えておくことは難しい場合があるためです。
パンフレットを活用すべき対象者とタイミング
厚生労働省の育児休業パンフレットは、様々な立場の人が、それぞれの目的に応じて活用できます。どのような人が、いつ読むべきかを理解しておきましょう。
妊娠した女性労働者は、最も優先的にパンフレットを読むべき対象者です。妊娠が判明したら、できるだけ早い段階でパンフレットを入手し、育児休業制度の全体像を把握することをおすすめします。産前産後休業と育児休業の関係、取得できる期間、申出のタイミング、給付金の見込み額などを理解しておくことで、出産・育児の計画を立てやすくなります。安定期に入った頃に、じっくりとパンフレットを読み込むのが理想的です。
配偶者が妊娠した男性労働者も、早めにパンフレットを読んでおくべきです。特に、2022年の法改正で創設された産後パパ育休(出生時育児休業)は、子どもの出生後8週間以内に最大4週間取得できる制度で、通常の育児休業とは別に取得可能です。この制度の内容をパンフレットで確認し、取得のタイミングを計画することが重要です。妻の妊娠中期から後期にかけて、夫婦で一緒にパンフレットを読み、育休取得の計画を話し合うことをおすすめします。
企業の人事・労務担当者は、常にパンフレットを手元に置いておくべきです。従業員から育児休業に関する相談を受けた際に、パンフレットを参照しながら正確な情報を提供できます。また、就業規則の整備や社内制度の見直しを行う際にも、パンフレットが指針となります。法改正があった際には、速やかに最新版を入手し、内容を理解して社内に周知する必要があります。
経営者や管理職も、パンフレットに目を通しておくことが望ましいです。育児休業を取得する従業員をサポートするためには、制度の基本的な理解が必要です。また、男性の育休取得を推進する企業文化を作るためにも、経営層が制度を理解していることが重要です。
社会保険労務士や人事コンサルタントなど、労務管理の専門家は、パンフレットを業務の参考資料として活用します。企業へのアドバイスや従業員からの相談対応において、最新かつ正確な情報を提供するために、常に最新版のパンフレットを確認しておく必要があります。
労働組合の役員や職場の労働者代表も、パンフレットを活用すべきです。組合員や同僚から育児休業に関する相談を受けることがあるため、正確な情報を提供できるようにしておくことが求められます。
これから就職活動を行う学生も、パンフレットに目を通しておくと有益です。将来のライフプランを考える上で、育児休業制度を理解しておくことは重要です。企業選びの際に、育児休業の取得実績や取得しやすい環境が整っているかを確認する基準にもなります。
パンフレットを読むタイミングとしては、以下のような時期が適しています。妊娠が分かったとき、配偶者の妊娠が分かったとき、育児休業の申出をする前、育児休業給付金の申請をする前、職場復帰の準備を始めるとき、第二子以降の妊娠が分かったとき、などです。
パンフレットは一度読んだら終わりではありません。制度の詳細は複雑で、一度で全てを理解することは難しいため、必要に応じて何度も参照することが大切です。特に、給付金の計算方法や申請手続きの部分は、実際に手続きを行う直前に改めて確認することをおすすめします。
家族と一緒にパンフレットを読むことも効果的です。夫婦で制度の内容を共有し、それぞれがどのように育児休業を取得するか、家計への影響はどの程度か、などを話し合う材料としてパンフレットを活用できます。両親や義両親に、育児休業制度の内容を理解してもらうためにパンフレットを見せることもあります。
厚生労働省パンフレットで学ぶ育児休業制度の詳細内容
厚生労働省のパンフレットには、育児休業制度の詳細な内容が記載されています。ここでは、パンフレットから読み取れる重要な制度内容について解説します。
育児休業の取得期間と申請方法の詳細
パンフレットには、育児休業を取得できる期間と申請手続きの詳細が明記されています。正確な理解が、スムーズな取得につながります。
育児休業の基本的な取得期間は、子どもが1歳に達するまでです。ただし、保育所に入所できないなどの事情がある場合は、1歳6か月まで延長でき、さらにそれでも保育所に入れない場合は2歳まで延長できます。パンフレットには、この延長の要件や手続きが詳しく説明されています。
女性の場合、産後8週間は産後休業の期間となるため、育児休業は産後休業終了の翌日から取得できます。つまり、出産日から57日目(産後8週間の翌日)から、子どもの1歳の誕生日の前日までが、基本的な育児休業期間となります。パンフレットには、この期間の計算方法が具体例とともに示されています。
男性の場合は、子どもの出生日から育児休業を取得できます。さらに、2022年の法改正で創設された産後パパ育休(出生時育児休業)により、出生後8週間以内に最大4週間(28日)まで、通常の育児休業とは別に取得できるようになりました。パンフレットには、産後パパ育休の詳細な説明と、通常の育児休業との違いが図表で分かりやすく示されています。
育児休業の分割取得も可能になりました。原則として2回まで分割して取得でき、産後パパ育休も2回に分けて取得できます。パンフレットには、どのような取得パターンが可能か、具体的な事例が複数紹介されています。例えば、出生直後に産後パパ育休を2週間取得し、配偶者の職場復帰に合わせて通常の育児休業を3か月取得する、といったパターンが示されています。
育児休業の申出は、原則として休業開始予定日の1か月前までに、書面で事業主に提出する必要があります。パンフレットには、申出書の記載例が掲載されており、どのような情報を記入すればよいかが分かります。申出に必要な項目としては、労働者の氏名、子どもの氏名・生年月日・続柄、休業開始予定日と終了予定日などがあります。
配偶者が専業主婦(主夫)であっても、育児休業を取得できることがパンフレットに明記されています。これは、男性の育休取得を促進する観点から重要なポイントです。以前は、配偶者が働いていないと男性は育休を取れないという誤解が広まっていましたが、現在はそのような制限はありません。
契約社員や派遣社員などの有期契約労働者も、一定の要件を満たせば育児休業を取得できます。パンフレットには、有期契約労働者の取得要件として、「引き続き雇用された期間が1年以上」「子が1歳6か月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでない」という条件が記載されています。ただし、2022年4月の法改正により、「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件は、労使協定で定めた場合にのみ適用されるようになったことも説明されています。
育児休業の取得を申し出たことを理由に、解雇や降格、減給などの不利益な取扱いをすることは法律で禁止されています。パンフレットには、不利益取扱いの具体例と、万が一そのような扱いを受けた場合の相談窓口が記載されています。都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が相談窓口となっており、連絡先が掲載されています。
育児休業中の就労については、原則として認められていませんが、産後パパ育休に限っては、労使協定を結べば一定の範囲で就労が可能です。パンフレットには、就労可能な上限(休業期間中の所定労働日数の半分まで、かつ休業期間中の所定労働時間の半分まで)が明記されています。
第二子以降の育児休業についても、第一子と同様に取得できることがパンフレットに説明されています。第一子の育休中に第二子を妊娠・出産した場合の取扱いや、育児休業給付金の支給など、複雑なケースについても記載されています。
育児休業の申出を撤回した場合の取扱いや、再度の申出が可能かどうかについても、パンフレットに詳しく書かれています。原則として、一度撤回すると再度の申出はできませんが、配偶者の死亡や離婚など、特別な事情がある場合は例外が認められることが説明されています。
育児休業給付金の計算方法と支給条件
育児休業を取得する際の経済的支援として、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。パンフレットには、給付金の詳細な計算方法と支給条件が記載されています。
育児休業給付金の支給額は、休業開始時の賃金日額を基に計算されます。休業開始から180日目(約6か月)までは、賃金日額の67%が支給され、181日目以降は50%が支給されます。パンフレットには、この計算式が明示されており、具体的な金額例も示されています。
例えば、休業開始前の6か月間の平均月給が30万円の場合、休業開始から180日目までは月額約20万円(30万円×67%)、181日目以降は月額約15万円(30万円×50%)が支給されることになります。ただし、給付金には上限額が設定されており、この上限額は毎年8月1日に改定されます。パンフレットには、最新の上限額が記載されています。
育児休業給付金を受給するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。まず、雇用保険の被保険者であることが大前提です。さらに、育児休業開始前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(または賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上の月)が12か月以上あることが必要です。パンフレットには、この要件を満たしているかどうかを確認する方法が説明されています。
給付金の申請手続きは、原則として事業主を通じて行います。育児休業を開始したら、事業主がハローワークに申請書類を提出し、その後2か月ごとに支給申請を行います。パンフレットには、申請に必要な書類として、「育児休業給付金支給申請書」「賃金台帳」「出勤簿」「母子健康手帳の写し」などが列挙されています。
初回の支給申請は、育児休業を開始した日から4か月を経過する日の属する月の末日までに行う必要があります。パンフレットには、この期限を守らないと給付金が受けられなくなる可能性があると注意書きがあります。ただし、事業主が手続きを行うため、労働者自身が期限を管理する必要はありませんが、進捗状況を確認しておくことは大切です。
育児休業中に賃金が支払われる場合の給付金の取扱いについても、パンフレットに詳しく記載されています。休業期間中に事業主から賃金が支払われ、その額が休業開始前の賃金の80%以上である場合は、給付金は支給されません。13%を超えて80%未満の場合は、賃金と給付金の合計が休業開始前の賃金の80%となるように、給付金が調整されて支給されます。
育児休業を延長した場合の給付金についても説明があります。1歳以降も給付金を受けるためには、延長の理由(保育所に入所できない、配偶者が死亡したなど)を証明する書類が必要です。保育所の入所不承諾通知書の写しなどを提出する必要があることが、パンフレットに明記されています。
パパ・ママ育休プラスという制度についても、パンフレットで詳しく解説されています。これは、両親ともに育児休業を取得する場合に、子どもが1歳2か月に達するまで給付金を受けられる制度です。ただし、それぞれの育児休業取得可能期間は最長1年間(母親の場合は産後休業期間を含む)であることに変わりはありません。
給付金は非課税です。所得税も住民税もかからないため、手取り額として考えると、実質的には休業前の賃金の8割程度に相当します。パンフレットには、この点が明記されており、給付金の経済的メリットが理解しやすくなっています。
育児休業給付金の支給は、2か月ごとに行われます。つまり、2か月分の給付金がまとめて振り込まれる仕組みです。パンフレットには、支給スケジュールの例が示されており、いつ頃給付金が入金されるかの目安が分かります。初回の支給は、申請から約2~3か月後になることが一般的です。
育児休業給付金の支給が終了するケースについても記載があります。職場に復帰した場合、育児休業期間が終了した場合、退職した場合などに、給付金の支給は終了します。復職後も短時間勤務制度などを利用する場合の給付金の扱いについても説明されています。
育休中の社会保険料と税金の取り扱い
育児休業を取得する際、社会保険料や税金がどうなるかは、家計に直結する重要な問題です。パンフレットには、これらの取扱いが詳しく説明されています。
育児休業中の社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は、事業主が年金事務所に申出をすることにより、本人負担分・事業主負担分ともに免除されます。この免除制度は、パンフレットで大きく取り上げられており、育児休業を取得する大きなメリットの一つとして紹介されています。
社会保険料の免除期間は、育児休業を開始した月から終了した日の翌日が属する月の前月までです。月末時点で育児休業を取得していれば、その月の保険料が免除されます。パンフレットには、免除される期間の計算例が図表で示されており、理解しやすくなっています。
重要な点として、社会保険料が免除されている期間も、将来の年金額を計算する際には、保険料を納めた期間として扱われます。つまり、保険料を払わなくても、年金の受給資格期間にカウントされ、将来の年金額も減額されません。この点は、パンフレットで強調されており、安心して育児休業を取得できることが説明されています。
育児休業中は基本的に給与が支払われないため、所得税の源泉徴収も行われません。ただし、賞与が支払われた場合や、育休開始前・終了後の給与がある場合は、その部分については通常通り源泉徴収されます。パンフレットには、年末調整や確定申告の際の注意点も記載されています。
育児休業給付金は非課税所得であるため、給付金に対して所得税や住民税はかかりません。また、給付金は所得としてカウントされないため、配偶者控除や配偶者特別控除の判定においても、給付金の額は考慮されません。パンフレットには、この税制上の優遇措置が明記されています。
住民税については注意が必要です。住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、育児休業を取得している年度も、前年の所得に応じた住民税を納付する必要があります。給与から天引きできない場合は、自分で納付書による支払いを行うことになります。パンフレットには、この点についての説明と、事業主への相談を促す記載があります。
育児休業中の賞与の取扱いについても触れられています。育児休業期間中に賞与が支払われる場合、その賞与に対する社会保険料は免除されません。ただし、月末時点で育児休業を取得していれば、その月の月額保険料は免除されます。賞与の社会保険料については、通常通り徴収されることがパンフレットに記載されています。
職場復帰後の標準報酬月額の改定についても説明があります。育児休業終了後に短時間勤務などで給与が下がった場合、社会保険料の負担も軽減されるよう、標準報酬月額を改定できる制度があります。この制度の利用方法や条件がパンフレットに記載されており、復職後の経済的負担を軽減できることが分かります。
雇用保険料については、育児休業中は給与が支払われないため、原則として発生しません。ただし、産後パパ育休中に就労して給与が支払われた場合は、その給与に対して雇用保険料が徴収されます。パンフレットには、この点についての注意書きがあります。
育児休業中の国民年金や国民健康保険については、被用者保険(厚生年金・健康保険)に加入している場合は関係ありませんが、自営業者や個人事業主の場合は注意が必要です。パンフレットには、被用者保険加入者を対象とした説明が中心ですが、自営業者等については別途確認が必要と記載されています。
医療費控除や生命保険料控除など、各種所得控除については、通常通り年末調整または確定申告で申告できます。育児休業を取得しているからといって、これらの控除が受けられなくなるわけではありません。パンフレットには、年末調整の手続きは事業主を通じて行うことが記載されています。
出産育児一時金や出産手当金など、他の給付制度との関係についても触れられています。これらは健康保険から支給されるもので、育児休業給付金とは別の制度です。それぞれの給付を受けるための手続きが必要であり、詳細は加入している健康保険組合等に確認する必要があることがパンフレットに記載されています。
まとめ:育児休業の厚生労働省パンフレット活用についてのポイント
育児休業制度を正しく理解するためのパンフレット活用法についてのまとめ
今回は育児休業に関する厚生労働省のパンフレットについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・厚生労働省は育児休業制度に関する複数種類のパンフレットを発行している
・パンフレットには労働者向け、事業主向け、男性向けなど対象者別のものがある
・最も基本的なパンフレットは「育児・介護休業法のあらまし」である
・パンフレットは厚生労働省ウェブサイトからPDF形式でダウンロードできる
・都道府県労働局やハローワークでも紙版のパンフレットを無料で入手できる
・法改正があるとパンフレットも更新されるため最新版を確認することが重要である
・2022年の法改正で産後パパ育休が創設され男性の育休取得が促進されている
・育児休業給付金は休業開始から180日目までは賃金の67%、それ以降は50%が支給される
・給付金を受けるには雇用保険の被保険者で一定の加入期間が必要である
・育児休業中の社会保険料は本人負担分・事業主負担分ともに免除される
・育児休業給付金は非課税所得であり所得税や住民税はかからない
・パンフレットには申請書類の記入例や手続きの流れが詳しく掲載されている
・配偶者が専業主婦(主夫)であっても育児休業を取得できる
・育児休業は原則2回まで分割して取得できるようになった
・パンフレットには不利益取扱いの禁止や相談窓口の情報も記載されている
育児休業制度を正しく理解し、適切に活用するために、厚生労働省のパンフレットは非常に有用な資料です。妊娠・出産を控えた方は、ぜひパンフレットを入手して内容を確認し、計画的に育児休業を取得してください。企業の担当者の方も、最新のパンフレットを常備して従業員のサポートに役立ててください。

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