子育て世代の多くが、貯金ができないという悩みを抱えています。育児にかかる費用は年々増加傾向にあり、教育費、食費、被服費、医療費など、子どもの成長とともに支出項目も増えていきます。さらに、住宅ローンの返済や老後資金の準備も必要となり、家計は常に圧迫された状態です。
総務省の家計調査によれば、子育て世帯の平均貯蓄率は他の世代と比較して低い水準にあることが明らかになっています。特に、子どもが小学校から高校にかけての時期は、教育費が家計に占める割合が大きくなり、貯金どころか赤字家計になってしまうケースも少なくありません。
働き盛りの年代であるにもかかわらず、なぜ子育て世代は貯金ができないのでしょうか。その背景には、社会構造の変化、教育費の高騰、共働き家庭の増加による支出増など、複合的な要因が絡み合っています。また、老後2000万円問題が話題になったことで、将来への不安を抱えながらも、目の前の子育て費用で精一杯という現実に直面している世帯も多いでしょう。
本記事では、子育て世代が貯金できない具体的な原因を分析し、限られた収入の中でも効果的に貯蓄を増やすための実践的な方法を詳しく解説していきます。
子育て世代が貯金できない主な原因
子育て世代が貯金できない背景には、いくつかの構造的な要因が存在します。ここでは、家計を圧迫する具体的な要因について、データや実態を交えながら詳しく見ていきましょう。
教育費の増大と家計への影響
子育て世代の家計を最も圧迫する要因の一つが教育費です。文部科学省の調査によれば、幼稚園から高校卒業までにかかる教育費は、全て公立に通った場合でも約540万円、全て私立の場合は約1,830万円にも上ります。さらに大学進学を考えると、国公立大学で約240万円、私立大学では約400万円以上が必要となり、子ども一人を大学まで進学させるには、最低でも800万円から2,000万円以上の資金が必要になります。
幼児教育・保育の無償化が2019年から実施されているものの、実際には完全無償ではなく、給食費や教材費、延長保育料などは別途必要です。認可外保育施設の場合、月額3.7万円までの補助にとどまり、都市部の保育料との差額は家計の負担となります。また、保育園に入れない待機児童問題により、より高額な認可外保育施設やベビーシッターを利用せざるを得ないケースもあります。
小学校に入学すると、学用品費、給食費、修学旅行の積立金などの学校関連費用に加え、学習塾や習い事の費用が家計に加わります。文部科学省の調査では、公立小学校に通う児童の学校外活動費(学習塾や習い事)は年間約21万円、私立では約64万円となっています。特に中学受験を考える家庭では、小学4年生頃から進学塾に通い始めることが多く、月額3万円から5万円程度の塾代が3年間続くことになります。
中学・高校になると、部活動の費用、制服代、修学旅行費用なども高額になります。公立中学校でも年間約49万円、私立中学校では約141万円の教育費がかかります。高校では、公立で約46万円、私立で約97万円が必要です。さらに大学受験を控えた高校生の場合、予備校や模試の費用が追加され、年間50万円以上を教育費に充てる家庭も珍しくありません。
大学の授業料も年々上昇傾向にあります。国立大学の授業料は、1990年代には年額約34万円でしたが、現在は約54万円と約1.6倍に増加しています。私立大学の平均授業料は年額約90万円で、理系学部や医歯薬系学部ではさらに高額になります。加えて、入学金、教科書代、通学費、一人暮らしの場合は仕送りなども必要となり、大学4年間で数百万円から1,000万円以上の支出が発生します。
複数の子どもがいる家庭では、これらの教育費が重複して発生します。例えば、3人の子どもが同時期に大学、高校、中学に在籍している場合、年間の教育費だけで200万円を超えることも珍しくありません。この時期は「教育費のピーク」と呼ばれ、多くの家庭が貯金を取り崩さざるを得ない状況に陥ります。
教育費の高騰の背景には、グローバル化による競争の激化、大学進学率の上昇、教育への期待値の高まりなどがあります。また、SNSの普及により、他の家庭の教育状況が可視化されることで、「周りがやっているから」という理由で教育投資を増やしてしまう傾向も見られます。
さらに、教育費は「子どものため」という大義名分があるため、削減しにくい支出項目です。親としては、子どもの将来の可能性を広げるために教育投資は惜しまないという心理が働き、結果として貯金よりも教育費を優先してしまうケースが多くなります。
住宅ローンと生活費の圧迫
子育て世代の多くは、住宅購入を検討する時期と子育て期が重なります。広い住空間を求めて住宅を購入する家庭が多い一方で、住宅ローンの返済が長期にわたって家計を圧迫する要因となっています。
総務省の調査によれば、住宅ローンを抱える世帯の月額返済額は平均約10万円から12万円程度とされています。年収500万円の世帯の場合、手取り月収は約33万円程度ですから、住宅ローンだけで手取り収入の約3割を占めることになります。一般的に、住居費は手取り収入の25%以内に抑えるのが理想とされていますが、多くの世帯がこの基準を上回っています。
住宅価格の高騰も大きな問題です。特に都市部では、新築マンションの平均価格が年々上昇しており、東京都内では平均7,000万円を超える物件も珍しくありません。低金利政策により借入額自体は増やしやすくなっていますが、それでも35年ローンを組んでも月々の返済額は高額になります。
住宅購入後には、固定資産税、管理費、修繕積立金などの固定費も発生します。マンションの場合、管理費と修繕積立金だけで月額2万円から3万円程度が必要です。戸建ての場合も、将来的な修繕費用を自分で積み立てる必要があり、屋根や外壁の塗装、設備の交換などで数百万円単位の出費が発生します。
賃貸住宅に住む場合でも、子育て世帯に適した広さの物件は家賃が高額です。2LDKから3LDKの賃貸物件の家賃は、地域にもよりますが月額10万円から15万円程度が相場です。賃貸の場合、更新料や引越し費用なども定期的に発生し、長期的には住宅購入と同等かそれ以上の出費になることもあります。
生活費の増加も無視できません。子どもが成長するにつれて、食費は確実に増加します。乳幼児期には月額2万円程度だった食費が、成長期の中高生がいる家庭では月額5万円から7万円以上になることも珍しくありません。また、外食の機会も増え、家族4人での外食で1回5,000円から1万円程度の出費となります。
被服費も子どもの成長に伴い増加します。特に学校の制服、体操着、運動靴などは数か月で買い替えが必要になることもあり、年間で数万円から10万円以上の出費になります。兄弟間でのお下がりができれば節約になりますが、性別が異なる場合や流行の変化により、必ずしも再利用できるわけではありません。
光熱費も家族が増えれば増加します。特に冬季の暖房費や夏季の冷房費は、子どもの健康を考えると節約しにくい項目です。また、在宅時間が長い子育て世帯では、電気・ガス・水道の使用量が増え、月額2万円から3万円程度の光熱費がかかります。
通信費も現代の家計を圧迫する要因の一つです。スマートフォンの普及により、家族全員が携帯電話を持つようになり、通信費だけで月額2万円以上かかる家庭も多くなっています。また、子どもの学習や連絡手段としてタブレットやパソコンが必要になり、インターネット回線の費用も加わります。
収入の伸び悩みと支出の増加
子育て世代の収入面にも課題があります。バブル経済崩壊後の長期的な経済停滞により、賃金の上昇率は低い水準にとどまっています。国税庁の調査によれば、民間企業の平均給与は、1990年代後半をピークに横ばいまたは微減傾向が続いており、実質賃金で見るとむしろ低下している状況です。
特に、30代から40代の子育て世代は、かつてのような年功序列型の賃金体系が崩れつつある中で、期待したほど収入が増えない現実に直面しています。成果主義の導入により、昇給や昇進が以前ほど確実ではなくなり、将来の収入増を見込んだライフプランが立てにくくなっています。
非正規雇用の増加も収入の不安定さにつながっています。総務省の労働力調査によれば、非正規雇用労働者の割合は全労働者の約4割に達しており、契約社員や派遣社員として働く子育て世代も少なくありません。非正規雇用の場合、正社員と比較して賃金水準が低く、昇給や賞与も限られているため、収入の増加が見込みにくい状況です。
共働き世帯の増加は世帯収入を増やす一方で、新たな支出も生み出しています。保育園の送迎、病児保育の利用、家事代行サービスの利用など、共働きを維持するための費用が発生します。また、仕事と育児の両立による時間的制約から、惣菜や外食に頼る頻度が増え、食費が増加する傾向も見られます。
税金や社会保険料の負担増も手取り収入を減少させています。消費税率の引き上げ、社会保険料率の上昇、児童手当の所得制限強化などにより、実質的な可処分所得は減少傾向にあります。例えば、年収600万円の世帯では、所得税、住民税、社会保険料を合わせて約120万円以上が給与から天引きされ、手取り額は約480万円程度になります。
子育て世代は、親の介護問題に直面することもあります。いわゆる「ダブルケア」の状態では、子育て費用と介護費用が同時に発生し、家計はさらに厳しくなります。介護サービスの利用料、通院の付き添い費用、介護用品の購入など、予期せぬ出費が家計を圧迫します。
インフレーションによる物価上昇も家計に影響を与えています。特に2022年以降、食料品や日用品の価格が急激に上昇し、同じ生活水準を維持するための支出が増加しています。収入が増えない中での物価上昇は、実質的な生活水準の低下を意味し、貯金に回す余裕がさらに減少します。
予期せぬ出費と緊急支出
計画的な支出以外に、予期せぬ出費が家計を圧迫することも、貯金できない大きな要因です。子育て世代には、様々な緊急支出のリスクが潜んでいます。
医療費は予測しにくい支出の代表例です。子どもの突発的な病気や怪我により、医療機関を受診する頻度は高く、小児医療費助成制度がある自治体でも、薬代や差額ベッド代、保険適用外の治療費などは自己負担となります。また、歯科矯正やアレルギー治療など、長期にわたる医療費が必要になるケースもあります。
家電製品や車の故障・買い替えも、まとまった出費を要します。冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの大型家電は、使用年数が10年を超えると故障のリスクが高まり、修理よりも買い替えの方が経済的な場合が多くなります。1台あたり10万円から30万円程度の出費が、複数の家電で同時期に発生すると、貯金を大きく削ることになります。
自動車を所有している家庭では、車検費用、修理費用、タイヤ交換費用などが定期的に発生します。車検では、法定費用に加えて整備費用も含めると、普通車で10万円から20万円程度が必要です。また、事故による修理や買い替えは、数十万円から数百万円の出費となり、家計に大きな打撃を与えます。
冠婚葬祭の費用も急な出費の一つです。親族や友人の結婚式への参列、お香典、出産祝い、入学祝いなど、社会的なお付き合いに関する出費は避けにくいものです。特に、子育て世代は親戚や友人の結婚・出産が重なる時期でもあり、年間で数十万円の交際費が発生することもあります。
学校関連の急な出費も少なくありません。遠足や修学旅行の追加徴収、学用品の追加購入、部活動の遠征費用、突然の制服の買い替えなど、予算に組み込んでいなかった出費が発生します。また、PTA活動や保護者会への参加により、時間的コストだけでなく、金銭的な負担も生じることがあります。
災害や事故による損害も、家計を直撃します。台風や地震による自宅の被害、水漏れや火災などのトラブルは、保険でカバーされる部分もありますが、免責金額や保険の対象外となる部分は自己負担となります。また、災害により避難生活を余儀なくされた場合、宿泊費や食費などの追加出費が発生します。
子どもの教育に関する緊急対応も考慮が必要です。学習の遅れを取り戻すための個別指導、不登校への対応としてのカウンセリング費用、発達障害などへの療育費用など、子どもの状況に応じて必要となる支出は多岐にわたります。これらは、子どもの将来のために必要な投資であり、削減することが難しい支出です。
家族の精神的・身体的健康の維持も重要です。ストレス解消や健康維持のためのレジャー費用、家族旅行の費用なども、長期的に見れば必要な投資です。しかし、これらを全て我慢し続けることは、家族関係の悪化やメンタルヘルスの問題につながる可能性があり、バランスの取り方が難しい部分です。
こうした予期せぬ出費に対応するためには、緊急予備資金の確保が重要ですが、日々の生活で精一杯の家計では、そのような余裕を持つことが難しいのが現実です。結果として、予期せぬ出費が発生するたびに、わずかに貯めた貯金を取り崩すか、クレジットカードのリボ払いなどの借入に頼ることになり、さらに家計が苦しくなるという悪循環に陥ります。
子育て世代が貯金できない状況を改善する方法
貯金できない現状を改善するためには、具体的で実行可能な対策が必要です。ここでは、限られた収入の中でも着実に貯蓄を増やすための実践的な方法を紹介します。
家計の見直しと支出管理
貯金を増やすための第一歩は、現在の家計状況を正確に把握することです。家計簿アプリやエクセルを使って、毎月の収入と支出を記録し、何にどれだけお金を使っているかを可視化します。特に、固定費と変動費を分けて管理することで、削減可能な支出項目が明確になります。
固定費の見直しは、効果が大きく持続的です。スマートフォンの料金プランを格安SIMに変更することで、月額5,000円から10,000円程度の削減が可能です。家族4人で大手キャリアを利用している場合、年間で20万円以上の節約になることもあります。また、使っていないサブスクリプションサービスの解約、不要な保険の見直しなども効果的です。
保険の見直しは特に重要です。生命保険や医療保険に過剰に加入している家庭は少なくありません。必要保障額を正確に計算し、重複している保障を整理することで、月額数万円の保険料を削減できる場合があります。また、掛け捨て型の保険に切り替えることで、貯蓄性保険よりも保険料を抑えられます。
住宅ローンの借り換えも検討すべき選択肢です。金利が低下している現在、借り換えにより総返済額を数百万円削減できる可能性があります。借り換えには手数料がかかりますが、長期的に見ればメリットが大きいケースが多くあります。金融機関に相談し、シミュレーションを行うことをお勧めします。
食費の管理も重要です。外食を減らし、自炊を増やすことで、月額2万円から3万円の削減が可能です。週末にまとめ買いをして献立を計画する、冷凍保存を活用する、旬の食材を使うなどの工夫により、食費を抑えながら栄養バランスの取れた食事を提供できます。また、食品ロスを減らすことも節約につながります。
光熱費の削減には、電力会社やガス会社の乗り換えが効果的です。電力自由化により、様々な料金プランから選択できるようになり、家族構成や使用パターンに合ったプランを選ぶことで、年間数万円の削減が期待できます。また、省エネ家電への買い替えは初期投資が必要ですが、長期的には光熱費の削減につながります。
予算管理の手法として、「先取り貯蓄」が有効です。給与が振り込まれたら、貯金分を先に別口座に移し、残りのお金で生活するという方法です。貯金額は、無理のない範囲で設定し、例えば手取り収入の10%からスタートするのが現実的です。自動振替を設定すれば、意識せずに貯金が増えていきます。
クレジットカードの使い方も見直しが必要です。リボ払いや分割払いは、高い手数料がかかり、支出を把握しにくくするため、できるだけ一括払いを利用します。また、ポイント還元率の高いカードを選び、日常の支出を集約することで、年間数万円分のポイントを獲得できます。
子どもの教育費については、メリハリをつけた支出が重要です。全ての習い事を続けるのではなく、子どもが本当に興味を持っているもの、将来に役立つものを優先的に選びます。また、地域の公共施設が提供する格安の講座やスポーツ教室を活用することで、質の高い教育を低コストで受けられる場合があります。
被服費の削減には、フリマアプリやリサイクルショップの活用が効果的です。特に子ども服は、成長が早く着用期間が短いため、中古品でも十分です。また、親戚や友人の間でお下がりを回し合うことで、被服費を大幅に削減できます。新品を購入する場合も、セール時期を狙う、アウトレットを利用するなどの工夫が有効です。
娯楽費や交際費も、完全にゼロにするのではなく、優先順位をつけて管理します。月額の上限を設定し、その範囲内で楽しむ方法を考えます。例えば、映画館ではなく配信サービスを利用する、レストランではなくホームパーティーを開くなど、低コストで楽しめる選択肢は数多くあります。
定期的な家計の見直しも重要です。3か月に一度、または半年に一度、家計簿を振り返り、予算と実績を比較します。目標達成できた項目、予算オーバーした項目を分析し、次期の予算に反映させます。このPDCAサイクルを回すことで、徐々に家計管理の精度が向上し、貯金額を増やすことができます。
収入を増やす具体的な方法
支出を削減するだけでなく、収入を増やす努力も貯金を増やすためには重要です。現代では、本業以外にも収入を得る方法が多様化しており、家事や育児と両立しながら収入を増やすことが可能になっています。
副業の解禁が進んでいることを活用しましょう。多くの企業が副業を認めるようになり、週末や夜間に副業を行うことができます。クラウドソーシングサイトを利用すれば、ライティング、デザイン、プログラミング、データ入力など、自分のスキルに合った仕事を見つけられます。月数万円の副収入でも、年間では数十万円の貯金増につながります。
在宅ワークやリモートワークの機会も増えています。育児の合間にできる仕事として、オンライン秘書、カスタマーサポート、オンライン講師などがあります。自宅でできるため、通勤時間や交通費が不要で、効率的に収入を得られます。また、子どもの急な体調不良にも対応しやすいメリットがあります。
フリマアプリを活用した不用品販売も、即効性のある収入源です。家の中の使わなくなった物を整理し、販売することで、数万円から数十万円の収入を得られることがあります。特に、子ども服、おもちゃ、ベビー用品などは需要が高く、比較的高値で売れる傾向があります。定期的に不用品を整理することで、継続的な収入源にもなります。
資格取得やスキルアップにより、本業の収入アップを目指すことも重要です。業務に関連する資格を取得することで、資格手当の支給や昇進のチャンスが広がります。また、転職市場での価値も高まり、より高収入の職に就ける可能性が増します。オンライン講座を利用すれば、育児と並行して学習を進められます。
パートナーの収入増も視野に入れます。配偶者が専業主婦(主夫)の場合、子どもの成長に合わせてパートタイムの仕事を始めることを検討します。扶養の範囲内であっても、年間100万円程度の収入は家計の大きな助けになります。また、時短勤務からフルタイムへの転換も、収入増の選択肢です。
投資による資産形成も、長期的な視点では重要です。つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用すれば、税制優遇を受けながら資産を増やすことができます。月額1万円から始められ、長期的には複利効果により大きな資産に成長する可能性があります。ただし、投資にはリスクもあるため、余裕資金の範囲で行うことが原則です。
ポイ活(ポイント活動)も、実質的な収入増になります。クレジットカードのポイント、電子マネーのポイント、各種ショップのポイントを計画的に貯め、日用品や食品の購入に充てることで、月数千円から1万円程度の節約効果があります。ポイントサイトを経由したオンラインショッピングも、効率的にポイントを貯める方法です。
公的給付金や手当の申請漏れがないか確認することも重要です。児童手当、児童扶養手当、各種の減免制度など、受給資格があるにもかかわらず申請していない制度がないか、自治体の窓口で確認します。また、医療費控除や住宅ローン控除など、確定申告により還付を受けられる可能性もあります。
公的支援制度の活用
子育て世代が利用できる公的支援制度は多数存在します。これらを最大限活用することで、家計の負担を軽減し、貯金に回す余裕を生み出すことができます。
児童手当は、中学卒業までの子どもを養育している家庭に支給される手当です。3歳未満は月額15,000円、3歳以上小学校修了前は月額10,000円(第3子以降は15,000円)、中学生は月額10,000円が支給されます。所得制限がありますが、多くの家庭が受給対象となります。年間で子ども一人あたり12万円から18万円の収入となり、これを全額貯蓄に回せば、大きな貯金になります。
幼児教育・保育の無償化により、3歳から5歳までの幼稚園、保育所、認定こども園の利用料が無償になります。0歳から2歳の子どもについても、住民税非課税世帯は無償です。この制度により、月額数万円の保育料負担が軽減され、その分を貯蓄に回すことが可能です。
高等学校等就学支援金制度は、高校生の授業料を支援する制度です。公立高校の授業料相当額(年額約12万円)が支給され、私立高校の場合は、世帯年収に応じて加算があります。この制度により、高校の授業料負担が大幅に軽減されます。
大学等の高等教育の無償化制度も利用可能です。低所得世帯を対象に、授業料減免と給付型奨学金が提供されます。世帯年収が約380万円未満の場合、国公立大学では授業料の全額が免除され、私立大学でも一定額が支援されます。この制度により、大学進学のハードルが下がり、教育費の負担が軽減されます。
医療費助成制度も自治体により異なりますが、多くの自治体で子どもの医療費が無料または低額になります。小学校卒業まで、中学校卒業まで、または18歳まで無料という自治体もあり、医療費の心配なく子どもを病院に連れて行けます。医療費の自己負担がなくなることで、年間数万円の節約になります。
就学援助制度は、経済的に困難な家庭に対して、学用品費や給食費、修学旅行費などを援助する制度です。各自治体が実施しており、申請により認定されれば、小中学校にかかる費用の一部が支給されます。生活保護受給世帯だけでなく、それに準ずる世帯も対象となる場合があります。
ひとり親家庭への支援も充実しています。児童扶養手当は、ひとり親家庭の生活の安定と自立を支援するための手当で、子ども一人の場合、最大月額約44,000円が支給されます。また、ひとり親家庭等医療費助成制度により、医療費の自己負担分が軽減されます。
住宅関連の支援制度も活用できます。住宅ローン控除は、住宅ローンの年末残高の一定割合が所得税から控除される制度で、10年間または13年間にわたり、年間数十万円の税負担が軽減されます。また、自治体によっては、子育て世帯向けの家賃補助制度や住宅購入助成制度を実施しているところもあります。
地域子育て支援拠点事業により、無料または低額で利用できる子育て支援サービスが提供されています。子育て相談、親子交流の場、一時預かりサービスなどが利用でき、有料のサービスを利用する代わりに活用することで、育児費用を削減できます。
企業の福利厚生制度も見逃せません。企業によっては、住宅手当、家族手当、育児手当などが支給されます。また、財形貯蓄制度を利用すれば、給与天引きで自動的に貯金ができ、利子が非課税になるメリットもあります。自社の福利厚生制度を改めて確認し、利用できる制度を最大限活用しましょう。
税制優遇制度の活用も重要です。配偶者控除、扶養控除、医療費控除、寄附金控除など、各種の所得控除を適切に申請することで、所得税や住民税の負担を軽減できます。確定申告が必要な控除もあるため、面倒でも毎年きちんと申告することが節税につながります。
これらの公的支援制度は、申請しなければ利用できないものが多くあります。自治体の窓口やウェブサイトで情報を収集し、該当する制度があれば積極的に申請することが重要です。また、制度は定期的に改正されるため、最新情報をチェックすることも忘れないようにしましょう。
子育て世代が貯金できない原因と改善策のまとめ
子育て世代が貯金できない状況と対策のまとめ
今回は子育て世代が貯金できない原因と改善策についてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・子育て世代の貯蓄率は他の世代と比較して低く、教育費の高騰や住宅ローン、生活費の増加により家計が圧迫されている
・幼稚園から大学までの教育費は全て公立でも約800万円、私立では2,000万円以上かかり、複数の子どもがいる場合は同時期に莫大な教育費が発生する
・住宅ローンの返済額は平均月額10万円から12万円で手取り収入の約3割を占め、固定資産税や管理費などの固定費も家計を圧迫する
・子どもの成長に伴い食費、被服費、光熱費、通信費などの生活費が増加し、成長期の中高生がいる家庭では月額の食費だけで5万円以上になることもある
・バブル崩壊後の長期的な経済停滞により賃金上昇率が低く、30代から40代の子育て世代は期待したほど収入が増えない現実に直面している
・非正規雇用の増加により収入が不安定な子育て世代も多く、昇給や賞与が限られているため将来的な収入増を見込みにくい
・医療費、家電や車の故障、冠婚葬祭、災害など予期せぬ出費が発生するたびに貯金を取り崩さざるを得ず、貯蓄が進まない悪循環に陥る
・家計の見直しでは固定費の削減が効果的で、格安SIMへの変更や不要な保険の解約、住宅ローンの借り換えなどで年間数十万円の節約が可能である
・先取り貯蓄の手法を用いて給与が振り込まれたら貯金分を先に別口座に移し、残りのお金で生活することで着実に貯金を増やせる
・副業やフリマアプリの活用、資格取得によるスキルアップなど収入を増やす方法は多様化しており、月数万円の副収入でも年間では大きな貯金増につながる
・児童手当は中学卒業までの子ども一人あたり年間12万円から18万円が支給され、これを全額貯蓄に回すことで教育資金の準備ができる
・幼児教育・保育の無償化や高等学校等就学支援金制度により教育費の負担が軽減され、浮いた費用を貯蓄に回すことが可能である
・就学援助制度やひとり親家庭への児童扶養手当など経済的に困難な家庭を支援する制度があり、申請により家計負担が大幅に軽減される
・つみたてNISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用した投資により、長期的な資産形成を図ることができる
・公的支援制度は申請しなければ利用できないため、自治体の窓口やウェブサイトで情報を収集し、該当する制度があれば積極的に申請することが重要である
子育て世代が貯金できない状況は、複合的な要因が絡み合った結果です。しかし、家計の見直しや収入増の工夫、公的支援制度の活用により、少しずつでも貯蓄を増やすことは可能です。できることから一つずつ実践し、将来に備えた家計管理を目指していきましょう。

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