育児休業申出書はいつまでに提出?期限と手続きを幅広く調査!

育児休業を取得する際には、様々な書類の提出が必要となります。中でも最初に提出する「育児休業申出書」は、育児休業取得の第一歩となる重要な書類です。しかし、いつまでに提出すればよいのか、どのような内容を記載すべきなのか、詳しく理解している方は少ないかもしれません。

育児休業申出書の提出期限を守らないと、希望する日から育児休業を開始できない可能性があります。また、企業側も従業員からの申出を適切に受け付け、必要な手続きを進めるために、正確な期限の把握が不可欠です。

本記事では、育児休業申出書の提出期限について、原則的なケースから特別な状況まで詳しく解説します。産後パパ育休や延長の場合など、ケース別の期限についても網羅的に説明しますので、育児休業を取得する予定の方、企業の人事担当者の方はぜひ参考にしてください。

育児休業申出書はいつまでに提出するのか?基本的な期限

原則的な提出期限は1ヶ月前まで

育児休業申出書の提出期限は、原則として育児休業開始予定日の1ヶ月前までとされています。これは育児・介護休業法において定められた基準であり、従業員が希望する日から育児休業を開始するために守るべき期限です。

この1ヶ月前という期限が設定されている理由は、企業側が業務の引継ぎや人員配置の調整を行うための準備期間を確保するためです。育児休業の取得は従業員の権利ですが、職場に影響が出ないよう、円滑な業務運営を維持することも重要な視点となります。

もし申出が1ヶ月前より遅れた場合、企業は休業を開始する日を指定することができます。ただし、企業が指定できるのは、申出があった日の翌日から起算して1ヶ月を経過する日までの間に限られます。つまり、遅れて申し出た場合でも、最長で申出日から1ヶ月後には育児休業を開始できることになります。

実務上は、1ヶ月前の時点ではすでに産前産後休業に入っている従業員が多いため、産前産後休業開始前までに提出してもらうのが望ましいとされています。企業の人事担当者は、妊娠の報告を受けた段階で早めに育児休業申出書を渡し、記入・提出を促すことが推奨されます。

育児休業申出書と育児休業等取得者申出書の違い

育児休業関連の書類には、名称が似ている「育児休業申出書」と「育児休業等取得者申出書」があり、混同しやすいため注意が必要です。この2つの書類は、提出先も目的も異なる別の書類です。

育児休業申出書は、従業員が企業に対して提出する社内書類です。これは従業員が育児休業を取得する意思を会社に正式に伝えるための書類であり、法律で定められた様式はありません。各企業が独自のフォーマットを作成して使用します。

一方、育児休業等取得者申出書の正式名称は「健康保険・厚生年金保険育児休業等取得者申出書」といい、企業が年金事務所または健康保険組合に提出する公的書類です。この書類を提出することで、育児休業期間中の社会保険料が免除されます。日本年金機構の公式サイトからダウンロードできる統一様式が使用されます。

育児休業申出書は従業員が記入して企業に提出しますが、育児休業等取得者申出書は企業の担当者が作成して年金事務所等に提出します。従業員が直接準備する必要はありませんが、企業側は従業員から育児休業申出書を受け取った後、この書類の作成と提出を行う必要があります。

厚生労働省の推奨する提出タイミング

厚生労働省は、育児休業申出書の提出について、法律上の期限だけでなく、実務的な観点からも早めの提出を推奨しています。特に、妊娠が判明した段階で早めに会社に報告し、育児休業の取得について相談することが望ましいとされています。

早期に申出を行うメリットは複数あります。まず、企業側が十分な準備期間を確保できるため、業務の引継ぎや代替要員の確保がスムーズに進みます。また、従業員自身も、育児休業中の経済面や復職後のキャリアプランについて、じっくり検討する時間が持てます。

さらに、出産予定日はあくまで予定であり、実際の出産日がずれる可能性があることも考慮すべきです。早めに申出を行っておけば、出産日が予定より早まった場合でも、慌てることなく対応できます。

企業の人事担当者は、妊娠の報告を受けた際に、育児休業制度について丁寧に説明し、申出書の提出を促すとともに、育児休業給付金や社会保険料免除など、取得できる制度についても情報提供することが求められます。

期限を過ぎた場合の対応

万が一、1ヶ月前という期限を過ぎて申出があった場合でも、育児休業の取得自体は可能です。ただし、前述の通り、企業は休業開始日を指定する権利を持ちます。

企業が休業開始日を指定する場合、指定できる範囲は申出があった日の翌日から起算して1ヶ月を経過する日までの間です。例えば、3月15日に申出があった場合、企業は4月15日までの間で休業開始日を指定できます。従業員が希望する日が3月20日であったとしても、企業が4月1日を指定すれば、4月1日が休業開始日となります。

ただし、企業側も従業員の育児休業取得を不当に妨げることはできません。特別な事情がなく、業務上の支障も少ない場合には、従業員の希望をできるだけ尊重することが望ましいとされています。

また、出産予定日より早く子が出生した場合や、配偶者の死亡・病気・負傷などの特別な事情がある場合には、1週間前の申出でも認められるという例外規定があります。このような緊急性の高い状況では、柔軟な対応が求められます。

育児休業申出書はいつまでに提出?ケース別の期限

産後パパ育休の場合の提出期限

2022年10月に創設された産後パパ育休(出生時育児休業)は、通常の育児休業とは異なる申出期限が設定されています。産後パパ育休の原則的な申出期限は、休業開始予定日の2週間前までです。

産後パパ育休は、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)まで取得できる制度で、主に男性の育児参加を促進するために設けられました。通常の育児休業より短い期間で取得できることから、申出期限も2週間前と、通常の1ヶ月前より短く設定されています。

ただし、2週間前という申出期限では、業務の引継ぎ期間が不足する可能性があると判断した企業は、一定の条件を満たした上で、労使協定を締結することにより、申出期限を1ヶ月前までに変更することができます。

労使協定で申出期限を1ヶ月前とするためには、以下の3つすべての措置を講じる必要があります。第一に、育児休業に係る研修の実施、育児休業取得事例の収集と提供、制度の周知、業務配分や人員配置の措置のうち、2つ以上を実施すること。第二に、育児休業取得に関する数値目標を設定し、方針を周知すること。第三に、育児休業申出に係る従業員の意向を確認し、その意向を把握する取組を行うこと、です。

このように、産後パパ育休の申出期限を1ヶ月前とする場合には、企業側に相応の環境整備が求められます。単に期限を延ばすだけでなく、従業員が育児休業を取得しやすい職場環境を作ることが重要なのです。

育児休業を延長する場合の期限

保育所に入所できないなどの理由で育児休業を延長する場合、延長の申出期限は通常の育児休業とは異なります。1歳から1歳6ヶ月までの育児休業、および1歳6ヶ月から2歳までの育児休業については、休業開始予定日の2週間前までに申出を行う必要があります。

具体的には、1歳の誕生日またはパパ・ママ育休プラスの終了予定日の翌日から育児休業を延長する場合、その日の2週間以上前に申出をしなければなりません。例えば、子の誕生日が3月15日で、その翌日の3月16日から延長したい場合、3月2日までに申出を行う必要があります。

延長の申出が2週間前より遅れた場合、企業は延長開始日を指定できます。指定できる範囲は、申出があった日の翌日から起算して2週間を経過する日までの間です。通常の育児休業の1ヶ月より短い期間ですが、これは延長のケースが限定的であることを考慮したものです。

延長が認められるのは、保育所等への入所を希望し申込みを行っているが当面その実施が行われない場合、配偶者が死亡・負傷・疾病等により養育が困難になった場合など、特定の事情がある場合に限られます。延長を希望する場合は、これらの事情を証明する書類の準備も必要です。

育児休業の開始日や終了日を変更する場合

育児休業の開始日を繰上げ変更したい場合と、終了日を繰下げ変更したい場合では、申出の期限が異なります。それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。

育児休業開始日を繰上げる場合は、出産予定日より早く子が出生した場合や、配偶者の死亡・病気・負傷等の特別な事情がある場合に限り、1回に限って変更が認められます。この場合、変更後の休業開始日の1週間前までに変更の申出を行う必要があります。

一方、育児休業終了日を繰下げる場合、つまり育児休業期間を延長したい場合は、特に事由は問われず、当初の育児休業終了日の1ヶ月前までに変更の申出をすればよいとされています。ただし、1歳6ヶ月または2歳までの育児休業については、当初の育児休業終了日の2週間前までとなります。

例えば、当初6月30日までの予定で育児休業を取得していたが、8月31日まで延長したい場合、5月30日までに変更の申出を行えば、希望通りの延長が可能です。

変更の申出も、原則として書面で行う必要があります。企業は、従業員から変更の申出があった場合、速やかに「育児休業期間変更申出書」などの書類を受け取り、必要な手続きを進めることになります。

特別な事情がある場合の期限

育児・介護休業法では、一定の特別な事情がある場合、通常よりも短い期限での申出を認めています。以下のような事情がある場合には、休業を開始しようとする日の1週間前までに申し出れば、育児休業を取得できます。

特別な事情として認められるのは、出産予定日より早く子が出生した場合、配偶者の死亡の場合、配偶者が負傷・疾病または身体上もしくは精神上の障害により子を養育することが困難になった場合、離婚等により配偶者が子と同居しないこととなった場合などです。

また、子が負傷・疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり世話を必要とする状態になった場合や、保育所等における保育の利用を希望し申込みを行っているが、当面その実施が行われない場合も特別な事情に該当します。

これらの事情は、予測できない緊急性の高いものであるため、1週間前という短い期限でも申出が認められるのです。ただし、特別な事情があるからといって、全く準備なく当日から休業できるわけではありません。可能な限り早めに会社に連絡し、状況を説明することが重要です。

企業側も、このような緊急の申出があった場合には、法律に基づいて適切に対応する必要があります。従業員の状況を理解し、できる限り柔軟に対応することで、従業員が安心して育児に専念できる環境を整えることが求められます。

育児休業等取得者申出書の提出期限

社会保険料免除のために年金事務所等に提出する「育児休業等取得者申出書」の提出期限は、育児休業申出書とは異なります。この書類は、育児休業等開始年月日から育児休業等終了後1ヶ月以内に提出しなければなりません。

例えば、4月1日に育児休業を開始し、9月30日に終了した場合、10月30日までに提出する必要があります。育児休業開始時点から提出が可能なので、実務上は育児休業開始後速やかに提出することが多いです。

この期限内に提出できなかった場合は、理由書や従業員が休業していることを証明する書類(出勤簿、賃金台帳など)の添付が必要となります。遅延すると追加書類が必要になり、手続きが煩雑になるため、期限内の提出が重要です。

育児休業等取得者申出書は、協会けんぽに加入している企業の場合、年金事務所または事務センターに提出します。年金事務所に提出することで、協会けんぽへの別途届出は不要となります。ただし、自社健保がある企業の場合は、自社健保の担当窓口にも提出する必要があります。

提出方法は、電子申請、郵送、または窓口への持参のいずれかです。電子申請が推奨されており、手続きの効率化が図られています。

まとめ:育児休業申出書はいつまでに提出すべきかの総括

育児休業申出書の提出期限についてのまとめ

今回は育児休業申出書はいつまでに提出すべきかについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。

・育児休業申出書の原則的な提出期限は、育児休業開始予定日の1ヶ月前までである

・申出が1ヶ月前より遅れた場合、企業は申出日の翌日から1ヶ月を経過する日までの間で休業開始日を指定できる

・実務上は産前産後休業開始前までに提出してもらうのが望ましく、妊娠報告時に早めに書類を渡すことが推奨される

・育児休業申出書は企業に提出する社内書類であり、育児休業等取得者申出書は年金事務所等に提出する公的書類で目的が異なる

・産後パパ育休の申出期限は原則として休業開始予定日の2週間前までとされている

・労使協定を締結し一定の環境整備措置を講じた企業は、産後パパ育休の申出期限を1ヶ月前まで変更できる

・1歳から1歳6ヶ月、1歳6ヶ月から2歳までの育児休業延長の場合、休業開始予定日の2週間前までに申出が必要である

・育児休業開始日を繰上げる場合は変更後の開始日の1週間前まで、終了日を繰下げる場合は当初の終了日の1ヶ月前までに申出が必要である

・出産予定日より早い出生や配偶者の死亡・病気などの特別な事情がある場合は1週間前の申出でも認められる

・育児休業等取得者申出書の提出期限は育児休業等開始年月日から育児休業等終了後1ヶ月以内である

・育児休業申出書には従業員の情報、子の情報、休業期間などを記載する必要がある

・育児休業の開始日や終了日が予定とずれることがあるため、変更が生じた場合は速やかに変更申出書を提出する

・育児休業申出書の様式は法律で定められておらず、各企業が独自のフォーマットを作成して使用できる

・早めの申出により企業側の準備期間が確保でき、業務の引継ぎや代替要員の確保がスムーズに進む

・企業は従業員から育児休業の申出を受けた後、育児休業等取得者申出書を作成して年金事務所等に提出する必要がある

育児休業申出書の提出期限は、通常の育児休業、産後パパ育休、延長など、ケースによって異なります。原則は1ヶ月前ですが、産後パパ育休は2週間前、延長も2週間前と、それぞれ異なる期限が設定されています。

期限を守ることで、希望する日から育児休業を開始できるだけでなく、企業側も適切な準備ができ、円滑な業務運営が維持されます。育児休業を取得する予定の方は、できるだけ早めに会社に相談し、必要な書類を準備することをおすすめします。

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