子育て世代とは厚生労働省ではどう定義される?支援施策や統計データを幅広く調査!

少子高齢化が進む日本において、子育て世代への支援は国の重要な政策課題となっています。しかし、「子育て世代」という言葉は日常的に使われているものの、具体的にどの年齢層を指すのか、どのような特徴があるのか、明確に理解している方は少ないかもしれません。特に、厚生労働省が公式に使用する「子育て世代」の定義や、それに基づく政策、統計データについては、詳しく知る機会が限られています。この記事では、子育て世代とは厚生労働省の視点からどのように捉えられているのか、関連する支援施策や統計情報、社会的な課題などを幅広く調査し、詳しく解説していきます。子育て中の方、これから親になる方、政策に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

子育て世代とは厚生労働省における定義と範囲

子育て世代という言葉は広く使われていますが、厚生労働省ではどのように定義されているのでしょうか。公式な定義と、その背景にある考え方を確認していきます。

厚生労働省が示す子育て世代の年齢範囲

厚生労働省の各種資料や統計において、「子育て世代」という用語は文脈によって異なる定義で使用されています。最も一般的なのは、18歳未満の子どもを持つ世帯、または18歳未満の子どもを養育している親の世代を指すケースです。この定義は、児童福祉法における児童の定義(18歳未満)に基づいています。

一方、政策や調査によっては、より具体的な年齢区分が設定されることもあります。例えば、乳幼児期の子どもを持つ世帯、小学生の子どもを持つ世帯、中学生・高校生の子どもを持つ世帯など、子どもの成長段階に応じた区分がなされます。これは、子どもの年齢によって必要な支援内容が大きく異なるためです。

親の年齢で見ると、子育て世代は一般的に20代後半から40代が中心となります。ただし、晩婚化・晩産化の影響で、50代の子育て世代も増加傾向にあります。厚生労働省の人口動態統計によれば、第一子出産時の母親の平均年齢は30歳を超えており、これに伴い子育て世代の年齢層も上昇しています。

また、子育て世代の定義には、実子だけでなく養子や里子を育てている場合も含まれます。さらに、ひとり親世帯や、祖父母が孫を養育している世帯など、多様な家族形態が考慮されています。厚生労働省は、こうした多様性を踏まえた上で、子育て世代への支援策を検討しています。

子育て世代に関する厚生労働省の統計分類

厚生労働省が実施する各種統計調査では、子育て世代を様々な角度から分類しています。最も基本的な分類は、子どもの年齢による区分です。0歳から2歳までの乳児期、3歳から5歳までの幼児期、6歳から11歳までの学童期、12歳から17歳までの思春期など、発達段階に応じた区分が用いられます。

世帯構成による分類も重要です。夫婦と子どもからなる核家族世帯、ひとり親世帯、三世代同居世帯など、家族構成によって直面する課題や必要な支援が異なるため、こうした分類が統計上で使用されます。特に、ひとり親世帯は経済的困難や時間的制約が大きいため、重点的な支援対象とされています。

就労状況による分類も見られます。共働き世帯、専業主婦(主夫)世帯、自営業世帯など、親の就労形態によって保育ニーズや支援内容が変わります。厚生労働省の調査によれば、子育て世代における共働き世帯の割合は年々増加しており、これに対応した保育サービスの拡充が課題となっています。

所得による分類も政策立案において重要です。低所得世帯、中間所得世帯、高所得世帯など、経済状況に応じた支援策が検討されます。特に、相対的貧困率の高いひとり親世帯や、子どもの数が多い多子世帯への経済的支援は、厚生労働省の重点施策の一つとなっています。

厚生労働省の資料における子育て世代の位置づけ

厚生労働省が発表する白書や報告書において、子育て世代は少子化対策の中心的な対象として位置づけられています。「厚生労働白書」では、毎年子育て支援に関する章が設けられ、現状分析と政策の方向性が示されています。子育て世代が安心して子どもを産み育てられる環境の整備が、日本社会の持続可能性を左右する重要な課題として認識されています。

「少子化社会対策白書」においても、子育て世代の実態や意識、直面している課題が詳しく分析されています。結婚や出産に対する意識調査、子育てにかかる経済的負担の実態、仕事と育児の両立における課題など、多角的なデータが提示されています。これらのデータは、政策の効果検証や新たな施策の立案に活用されています。

地域包括ケアシステムの構築においても、子育て世代は重要な対象です。高齢者支援のイメージが強い地域包括ケアですが、子育て世代を含むすべての世代が安心して暮らせる地域づくりが目指されています。子育て世代包括支援センター(母子健康包括支援センター)の設置推進など、地域での切れ目のない支援体制の構築が進められています。

さらに、労働政策の文脈でも子育て世代は重要な位置を占めています。育児休業制度の拡充、短時間勤務制度の普及、テレワークの推進など、仕事と育児の両立を支援する施策が展開されています。女性活躍推進の観点からも、子育て期の女性が継続して働ける環境整備が重視されています。

子育て世代の定義が持つ政策的意義

厚生労働省が子育て世代を明確に定義し、統計的に把握することには、重要な政策的意義があります。第一に、支援の対象を明確化することで、効果的な施策の立案が可能になります。漠然と「子育て支援」を語るのではなく、どの年齢層の子どもを持つ、どのような状況の世帯に、どのような支援が必要なのかを具体的に検討できます。

第二に、予算配分の根拠となります。限られた財源の中で、最も支援を必要とする層に重点的に資源を配分するためには、子育て世代の実態を正確に把握する必要があります。統計データに基づいた政策立案により、効率的かつ公平な支援が可能となります。

第三に、政策の効果測定が可能になります。子育て世代の定義が明確であれば、施策実施前後での変化を定量的に評価できます。出生率の変化、保育所待機児童数の推移、育児休業取得率の変化など、具体的な指標で政策効果を検証できます。

第四に、国際比較の基盤となります。OECD諸国との比較において、子育て世代への支援の水準や内容を評価する際、共通の定義に基づいたデータが必要です。国際的な視点から日本の子育て支援の課題を把握し、他国の優れた事例を学ぶためにも、明確な定義が重要です。

子育て世代とは厚生労働省の支援施策と取り組み

厚生労働省は、子育て世代を支援するための様々な施策を展開しています。具体的な制度や取り組みについて見ていきましょう。

子育て世代包括支援センターの役割と機能

子育て世代包括支援センター(母子健康包括支援センター)は、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供する拠点として、2017年4月から全国の市町村に設置が進められています。厚生労働省は、2024年度末までの全国展開を目指しており、多くの自治体で設置が完了しています。

このセンターの主な機能は、妊産婦や乳幼児の実情を把握し、妊娠・出産・子育てに関する相談に応じることです。保健師や助産師などの専門職が常駐し、個別のニーズに応じた支援プランを作成します。医療機関、保健所、子育て支援事業者などとの連絡調整も行い、地域の関係機関との連携を図ります。

具体的なサービスとしては、妊娠届出時の面談、妊婦健康診査の受診勧奨、産後ケア事業の利用調整、乳幼児健診のフォローアップ、子育てに関する情報提供などがあります。特に、支援が必要な妊産婦を早期に把握し、適切な支援につなげることで、虐待の予防や孤立した育児の防止に貢献しています。

また、センターでは子育てに関する様々な教室やイベントも開催されています。両親学級、離乳食教室、親子交流会などを通じて、育児知識の普及と親同士のネットワーク形成を支援しています。オンラインでの相談対応も進められており、コロナ禍以降、その重要性が高まっています。

保育所等の整備と待機児童対策

厚生労働省は、「子育て安心プラン」や「新子育て安心プラン」に基づき、保育の受け皿整備を進めてきました。2013年度から2022年度までの間に、約90万人分の保育の受け皿が整備され、待機児童数は大幅に減少しています。2023年4月時点の待機児童数は2,680人となり、調査開始以来最少を更新しました。

保育所の整備だけでなく、多様な保育サービスの提供も推進されています。認定こども園、小規模保育事業、家庭的保育事業、事業所内保育事業など、地域の実情に応じた様々な形態の保育サービスが展開されています。これにより、保護者の就労形態や子どもの年齢に応じた選択肢が増えています。

病児保育事業も拡充されています。子どもが病気の際に預かる病児対応型、病気の回復期にある子どもを預かる病後児対応型、保育中に体調不良となった子どもに対応する体調不良児対応型など、多様なニーズに対応しています。働く親にとって、子どもの急な発熱などに対応できる病児保育の存在は、就労継続の重要な支えとなっています。

延長保育や休日保育など、多様な就労形態に対応した保育サービスも充実してきています。夜間保育を実施する保育所や、24時間対応の保育施設もあります。これらは、医療・福祉・サービス業など、夜間や休日に働く親の子育てと仕事の両立を支援しています。

育児休業制度と経済的支援の拡充

育児休業制度は、子育て世代の就労継続を支援する重要な制度です。2022年10月からは、産後パパ育休(出生時育児休業)が創設され、男性の育児休業取得促進が図られています。子どもの出生後8週間以内に最大4週間の休業を取得でき、2回に分割することも可能です。

育児休業給付金の支給率も拡充されています。育児休業開始から180日目までは休業開始時賃金の67%、181日目以降は50%が支給されます。さらに、2025年4月からは、一定の要件を満たす場合、育児休業開始から一定期間、給付率が引き上げられる方向で検討が進められています。

児童手当も子育て世代への重要な経済的支援です。2024年10月からは制度が拡充され、所得制限が撤廃されるとともに、支給期間が高校生まで延長されました。また、第3子以降の支給額も増額され、多子世帯への支援が強化されています。

出産育児一時金も増額されています。2023年4月から、1児あたり50万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産した場合は48.8万円)に引き上げられました。出産にかかる経済的負担の軽減により、安心して出産できる環境づくりが進められています。

仕事と育児の両立支援策

厚生労働省は、仕事と育児の両立を支援するため、企業に対する働きかけも強化しています。次世代育成支援対策推進法に基づき、常時雇用する労働者が101人以上の企業には、一般事業主行動計画の策定・届出が義務付けられています。この計画では、育児休業の取得促進、所定外労働の削減、育児のための短時間勤務制度の導入など、具体的な取り組み目標を設定します。

くるみん認定・プラチナくるみん認定制度も推進されています。子育てサポート企業として一定の基準を満たした企業を認定し、くるみんマークの使用を認めることで、企業の取り組みを可視化しています。認定企業は、税制上の優遇措置を受けられるほか、求人活動でのアピールポイントとなり、人材確保にもつながります。

短時間勤務制度や所定外労働の制限など、育児期の柔軟な働き方を実現する制度の普及も図られています。育児・介護休業法では、3歳未満の子を養育する労働者が希望すれば、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮できる短時間勤務制度の導入を事業主に義務付けています。

テレワークの普及も、子育て世代の働き方に大きな影響を与えています。コロナ禍を契機に急速に広がったテレワークは、通勤時間の削減や柔軟な時間管理を可能にし、仕事と育児の両立を容易にしています。厚生労働省は、テレワークの適切な導入・実施のためのガイドラインを策定し、企業の取り組みを支援しています。

子育て世代とは厚生労働省のデータで見る現状と課題

厚生労働省が公表している各種統計データから、子育て世代の現状と課題を読み解いていきます。

子育て世代の人口動態と将来推計

厚生労働省の人口動態統計によれば、出生数は減少の一途をたどっています。2023年の出生数は約75万人となり、統計開始以来最少を記録しました。合計特殊出生率も1.20と低水準が続いており、人口維持に必要な2.07を大きく下回っています。この傾向が続けば、将来的に子育て世代の人口そのものが減少し、社会全体の活力低下が懸念されます。

初婚年齢と第一子出産年齢の上昇も顕著です。2023年の平均初婚年齢は、夫が31.1歳、妻が29.7歳となっています。第一子出産時の母親の平均年齢は30.9歳に達しており、晩婚化・晩産化が進んでいます。これにより、第二子、第三子を持つことを躊躇する傾向も見られ、少子化の一因となっています。

地域による出生率の差も大きくなっています。都市部では保育所不足や住宅事情、経済的負担などから出生率が低い傾向にある一方、一部の地方では子育て支援の充実により比較的高い出生率を維持している自治体もあります。厚生労働省は、こうした地域差を分析し、効果的な施策の全国展開を図っています。

将来推計では、子育て世代の減少が加速することが予測されています。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、20代から40代の人口は今後数十年にわたって減少が続きます。これは、子育て支援のニーズが減るという意味ではなく、少ない子育て世代を社会全体で支える必要性がより高まることを示しています。

子育て世代の経済状況と貧困問題

厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、子どもがいる世帯の平均所得は全世帯平均を上回っていますが、世帯内の人数が多いため、一人当たりの所得は必ずしも高くありません。また、子どもの年齢が低いほど、育児にかかる費用や時間の制約により、世帯所得が低い傾向があります。

特に深刻なのは、ひとり親世帯の貧困率です。2022年の調査では、ひとり親世帯の相対的貧困率は44.5%と、OECD諸国の中でも高い水準にあります。特に母子世帯では、非正規雇用の割合が高く、経済的に困難な状況に置かれているケースが多く見られます。厚生労働省は、ひとり親家庭への児童扶養手当の支給や、就労支援、養育費確保支援などを実施していますが、依然として課題は大きいと言えます。

子育てにかかる経済的負担の増大も問題です。教育費の高騰、習い事の費用、生活必需品の価格上昇などにより、子どもを持つことへの経済的不安が大きくなっています。内閣府の調査では、理想の子ども数を持たない理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」を挙げる人が最も多くなっています。

共働き世帯の増加も特徴的です。子育て世代における共働き世帯の割合は7割を超えており、専業主婦(主夫)世帯を大きく上回っています。これは、経済的必要性だけでなく、女性の社会進出意欲の高まりも背景にあります。しかし、共働きと育児の両立には、保育サービスの充実、職場の理解、家事育児の分担など、多くの課題があります。

育児と就労の両立における実態と課題

厚生労働省の雇用均等基本調査によれば、育児休業取得率は女性で85%程度、男性で17.13%(2023年度)となっています。女性の取得率は高水準を維持していますが、男性の取得率は徐々に上昇しているものの、依然として低い水準にあります。政府は、2025年までに男性の育児休業取得率を50%にする目標を掲げており、制度改正や企業への働きかけを強化しています。

育児休業からの復職後の課題も指摘されています。復職後に希望しない配置転換や降格を経験したり、いわゆるマタニティハラスメントやパタニティハラスメントを受けたりするケースがあります。また、時短勤務を利用することで、キャリア形成に影響が出ることを懸念する声もあります。厚生労働省は、マタハラ防止措置の義務化や、相談窓口の設置を企業に求めています。

保育所の利用状況も重要なデータです。2023年4月時点で、保育所等を利用している子どもは約290万人となり、利用率は50%を超えています。待機児童数は減少していますが、地域によっては依然として入所困難な状況があり、特に都市部の0歳児から2歳児の保育需要は高い水準にあります。

育児と介護のダブルケアに直面する世帯も増えています。晩婚化・晩産化により、子育て期に親の介護が重なるケースが増加しており、仕事と育児と介護の三重の負担に苦しむ人も少なくありません。厚生労働省は、育児・介護休業法の改正により、柔軟な休業取得を可能にするなど、対策を講じていますが、社会全体での支援体制の構築が求められています。

子育て世代とは厚生労働省の視点から見た定義と現状についてのまとめ

厚生労働省における子育て世代の全体像

今回は子育て世代とは厚生労働省ではどのように定義され支援されているのかについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。

・厚生労働省では子育て世代を主に18歳未満の子どもを持つ世帯または養育している親の世代として定義している

・子どもの年齢や世帯構成、就労状況、所得水準など多角的な視点から子育て世代を分類し統計調査を実施している

・親の年齢で見ると子育て世代は20代後半から40代が中心だが晩婚化により50代の子育て世代も増加している

・子育て世代包括支援センターは妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を提供する拠点として全国展開されている

・保育の受け皿整備により待機児童数は大幅に減少し2023年4月時点で2680人と調査開始以来最少を記録した

・2022年10月から産後パパ育休が創設され男性の育児休業取得促進が図られている

・児童手当は2024年10月から所得制限が撤廃され支給期間が高校生まで延長された

・出生数は減少の一途をたどり2023年は約75万人で統計開始以来最少となった

・第一子出産時の母親の平均年齢は30.9歳に達し晩婚化・晩産化が進行している

・ひとり親世帯の相対的貧困率は44.5%とOECD諸国の中でも高い水準にある

・子育て世代における共働き世帯の割合は7割を超え専業主婦世帯を大きく上回っている

・女性の育児休業取得率は85%程度だが男性の取得率は17.13%と依然として低い水準にある

・くるみん認定制度により子育てサポート企業を認定し企業の取り組みを可視化している

・育児と介護のダブルケアに直面する世帯が増加し仕事と育児と介護の三重負担が課題となっている

・政府は2025年までに男性の育児休業取得率を50%にする目標を掲げ制度改正を進めている

厚生労働省は、子育て世代を多角的に捉え、様々な支援施策を展開しています。少子化が進む中、子育て世代が安心して子どもを産み育てられる社会の実現は、日本の将来にとって極めて重要な課題です。今後も、統計データに基づいた効果的な政策の立案と実施が求められています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました