2025年4月から新たに開始された育児時短給付は、2未満の子どもを育てながら時短勤務を選択する労働者を経済的に支援する制度として注目を集めています。
この制度について調べている方の中には、「公務員も育児時短給付の対象になるのか」という疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
実は、公務員についても2025年4月から同様の制度が開始されています。 なお、制度の名称や運営本体、詳細な仕組みには違いがあります。
この記事では、育児時短手当が給与にも適用されるのかについて、制度の詳細や民間企業との違い、申請方法などを幅広く調査しました。
育児時短給付と公務員の制度概要
民間企業と公務員の認証の違い
育児時短配慮に関する給付制度は、民間企業の従業員と公務員では適用される法律と運営主体が異なります。
民間企業で働く労働者の場合、雇用保険法にかかって「育児時短給付金」が支給されます。 この給付金は雇用保険制度として設けられており、ハローワーク手続きが行われます。
一方、公務員の場合は雇用保険に加入していないため、雇用保険からの給付は受けられません。その代わりに、地方公務員等公務員組合法や国家公務員公務員組合法に基づいて、各退職組合から「育児時短勤務手当金」が支給される仕組みになっています。
公務員の育児時短勤務手当金は、地方公務員の場合は各自治体の職員公務員組合から、国家公務員の場合は各自治体の公務員公務員組合から支給されます。例えば、公立学校の教職員であれば公立学校公務員組合から、地方自治体の職員であれば地方職員公務員組合や市町村職員組合などから支給されることになります。
制度の名称は異なりますが、目的や支給内容は基本的に同じです。 いずれも、2歳未満の子を養育するために時短勤務をした場合に、報酬の最大10%に相当額するが支給されるという内容になっています。
民間企業の育児時短手当金と公務員の育児時短勤務手当金は、支給要件や支給額の計算方法もほぼ同じように設計されています。
ただし、申請手続きの流れや必要書類については、それぞれの制度の運営主体が異なるため、細かい部分で違いがあります。公務員の場合は、所属する退職組合の規定に従って手続きを行う必要があります。
重要な点として、公務員であっても雇用保険に加入している場合は、休暇組合からの給付ではなく、雇用保険からの育児時短給付金が支給されることになります。 逆に言えば、雇用保険法規定による給付を受けることができる場合は、休暇組合からは支給されないという調整規定が設けられています。
公務員の育児時短勤務手当金の支給要件
公務員が育児時短勤務手当金を受け入れるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。これらの要件は、民間企業の育児時短手当金とほぼ同じ内容になっています。
まず、対象となる育児時短勤務の種類についてです。 公務員の場合、以下のような勤務形態が育児時短勤務として認められます。 地方公務員の育児休業等に関する法律第10条第1項に規定する育児する短時間勤務、同法第19条第1項に規定する部分休業、雇用保険法第61条の12第1項に規定する育児時短勤務、その他に相当する勤務です。
育児短時間勤務とは、1週間の勤務時間を短縮する制度です。例えば、通常1日8時間勤務を6時間勤務にするなど、労働時間を短縮して働くことができます。部分休業とは、1日の勤務時間の一部について休業を取得する制度です。
支給対象となる組合員の要件としては、令和7年(2025年)4月1日以降、組合員が2歳に満たさない子を養育するために育児時短勤務の承認を受けて勤務時間を短縮したときとされています。月1日より前に育児時短勤務を開始した組合員であって、令和7年4月1日に関して現に当該勤務をしているものについては、令和7年4月1日を「育児時短勤務を開始した日」ともみなして要件を確認します。
支給対象月については、組合員が育児時短勤務を開始した日の当該育児時短勤務を終了した日の書き込み月までの期間内にある月が対象となります。
つまり、月の途中で退職した場合や、月の初めから末日まで続けて育児休業給付又は介護休業給付を受給していた月は、支給対象月になりません。また、高年齢雇用継続給付の権利対象となった月も支給対象外です。
支給対象期間の終了については、いくつかのパターンがあります。
新たに産前産後休暇、介護休業または育児休業を開始した日の前日が書き込み月まで、育児時短勤務に係る子とは別の子を養育するために育児時短勤務を開始した日の前月末日が書き込み月までといった場合も、一応支給対象期間が終了します。
一日については、正規の勤務日が祝日法による休日及び12月29日から1月3日に当たる場合は支給されますが、正規の勤務日以外の日に当たらない場合は支給されません。
育児時短勤務手当金の支給額の計算方法
公務員の育児時短勤務手当金の支給額は、基本的に時短勤務中に支払われた報酬額の10%相当額となります。 なお、報酬額と手当金の合計が、時短勤務を開始する前の報酬を超えないように調整される仕組みになっています。
具体的な計算方法は、支給対象月に支払われた報酬額の加算とは異なります。
例、育児時短勤務開始月の標準報酬報酬が30万円で、支給対象月に支払われた報酬額が22万5千円(75%)だった場合、22万5千円×10%=2万2,500円が支給されますこの場合、報酬22万5千円と手当金2万2,500円を合わせて24万7,500円の収入となり、労働時間75%に短縮されることで、収入は約82%を維持できることになります。
支給対象月に支払われた報酬額が、育児時短勤務開始月の標準報酬の90%以上100%未満の場合は、調整後の支給率が適用されます。これは、報酬と手当金の合計が時短勤務前の標準報酬を超えないための措置です。
調整後の支給率の計算式は複雑ですが、基本的には報酬額が時短勤務前の標準報酬に少しずつ、支給率が10%から徐々に減少していく仕組みになっています。これにより、時短勤務をしても報酬がほとんど減らないという場合には、手当金の支給額も少なくなります。
支給対象月に支払われた報酬額と上記の計算による令和による支給額の合計額が支給額を超える場合は、支給額から支給対象月に支払われた報酬額を減じて得た額が支給額となります。
なお、以下のような場合には、育児時短勤務手当金は支給されません。当月の報酬の額が、育児時短勤務を開始した日の分担月標準における報酬月額の100%以上であるとき、当月の報酬の額が支給上限額以上であるとき、当月の育児時短勤務手当金の額が最低額未満であるときです。
報酬の額には、給料別途、手当、地域手当、管理職手当、超過勤務手当、通勤手当(複数月分が一括して支払われる場合は、支給月数で割り戻した1か月分の額)、住居手当等が含まれます。
また、育児時短勤務を開始した月の標準報酬が、雇用保険法に定める基準報酬相当額を上回る場合は、当該標準報酬を基準報酬相当額と読み替えて、給付額の計算が行われます。
育児時短勤務手当金の申請手続き
公務員が育児時短勤務手当金を受け取るためには、所属する労働組合に対して申請手続きを行う必要があります。申請手続きの詳細は、各休暇組合によっていくつか異なる場合がありますが、基本的な流れはほぼ共通しています。
まず、育児時短勤務を開始する際には、勤務先に対して育児時短勤務の承認申請を行います。 地方公務員の場合、地方公務員の育児休業等規定に基づいて、育児短時間勤務または一部休業の承認を請求することになります。
育児時短勤務の承認を受けたら、休暇組合に対して育児時短勤務手当金の請求手続きを行います。請求手続きは、所定の請求書に必要事項を記入し、所属所(勤務先)の休暇事務担当者休暇組合に行います。
請求書には、育児時短勤務に係る子供の氏名、悩み、組合員との柄などの情報を記載します。また、育児時短勤務の開始日と終了予定日、勤務時間短縮の内容なども記入する必要があります。
添付書類としては、育児時短勤務の承認を受けたことを証明する書類(承認書類し)、育児時短勤務に係る子供の住民票や戸籍謄本など、子を養育していることを証明する書類などが必要になる場合があります。
手続きは、基本的には勤務先の休暇事務担当者が行われます。組合員本人が直接退職組合に申請するのではなく、所属所の担当者が取りまとめて手続きを進める形が一般的です。そのため、育児時短勤務を開始する際には、まず所属所の休暇事務担当者に相談することをおすすめします。
手当金の支給は、原則として毎月25日に行われます(金融機関が休みのときは、翌営業日)。 初回の支給分は手続きに時間がかかる場合がございますが、2回目以降の継続的な支給分は毎月25日に振り込まれます。
給付事由が生じた日の翌日から2年間が請求期限となっております。この中間請求しなかったときは、時効によって給付を受ける権利を認識しますので注意が必要です。育児時短勤務を開始したら、とりあえず早めに手続きを行うことが大切です。
育児時短給付金と公務員の特有事項
育児休業手当金との関係
公務員の場合、育児時短勤務手当金その他に、育児休業手当金という制度も用意されています。この2つの制度の関係を正しく確保することが重要です。
育児休業手当金は、組合員が育児休業を取得して勤務を休むときに支給される給付金です。子が1歳に達する日までの期間について支給され、標準報酬の日額の67%(育児休業を開始して180日に達するまでの間)または50%(残りの期間)に相当する金額が支給されます。
育児休業手当金は、育児休業中の結果を保障するための給付であり、完全に勤務を休んでいる期間が対象となります。一方、育児時短勤務手当金は、時短勤務で働いている期間が対象となります。
重要な点として、同じ月に関して育児休業手当金と育児時短勤務手当金の両方を受け止めることはできません。
たとえば、月の途中で育児休業を終了し、同じ月の途中から時短勤務を開始した場合、その月は育児休業手当金の対象となるのか、育児時短勤務手当金の対象となるのか、どちらも対象外となるのかを確認する必要があります。
一般的には、育児休業を終了した翌日から時短勤務を開始する形になります。 育児休業期間と時短勤務期間が連続している場合、それぞれの期間に応じて適切な手当が行われることになります。
また、2025年4月から新たに構想された育児休業手当金という制度もあります。 これは、子供の出生直後の一定期間内に両親共に14日以上の育児休業を取った等の場合に、育児休業手当金に加えて支給される給付金です。
育児休業支援手当金は、雇用保険法規定による出生後休業支援給付金の給付を受けることができる方には支給されません。
このように、公務員の育児関連給付金には複数の種類があり、それぞれの要件や支給期間、支給額が異なります。
公務員特有の勤務形態への対応
公務員には、民間企業とは異なる特定の勤務形態があります。 育児時短勤務手当金は、これらの特定の勤務形態にも対応できるよう設計されています。
例、地方公務員の場合、部分休業という制度があります。 部分休業とは、1日の勤務時間の一部について休業を取得できる制度で、地方公務員の育児休業等規定第19条第1項に規定されています。
また、公務員の場合、フレックスタイム制を導入している職場もあります。 フレックスタイム制の下で育児のために労働時間短縮した場合も、育児時短勤務として認められる可能性があります。 1週間当たりの労働時間短縮して検討した期間がある月であれば、支給対象月となります。
シフト制勤務の場合も同様です。シフト制の場合は所定労働時間の設定がありませんが、実際の週平均労働時間時短計画前の週平均労働時間に対して短縮されていれば申請することができます。
さらに、被保険者が子を養育するために短時間正社員、パートタイム労働者等に移行、移行したことに伴い、1週間当たりの労働時間短縮されている場合も、育児時短と取り扱われます。
ただし、短縮後の1週間当たりの所定労働時間20時間以下の場合は注意が必要です。 この場合、子供が小学校就学の開始期に達するまでに1週間の所定労働時間20時間以上となる労働条件に復帰することが優先であることが慎重等の書面により確認できる場合を除き、雇用保険の被保険者資格を喪失することとなり、育児時短給付金の支給対象にはなりません。
公務員の場合も、同様に一定の勤務時間を確保されていることが前提となります。
また、常勤に服務することを必要としない地方公務員(非常勤職員)についても、一定の要件をうまく充足して組合の組合員となることができます。組合員である限り、育児時短勤務手当金の支給対象となる可能性があります。
他の公的支援認定との併用
公務員が育児時短勤務手当金を考慮する際、他の公的支援制度との併用ができるかどうかは重要なポイントです。 いくつかの制度については併用制限が行われている制度、併用可能な制度もあります。
まず、育児時短勤務手当金と併用できない給付として、同一の育児時短勤務等について雇用保険法規定による育児時短給付金の支給を受けることができるときは、休暇組合からは支給されないと決められています。
また、高年齢雇用継続基本給付金または高年齢再就職給付金の支給を受けることができるときも、育児時短勤務手当金は支給されません。
児童手当は、中学校修了前の児童を養育している方に支給される手当であり、育児時短勤務手当金とは別の制度です。 育児時短勤務手当金を受け取っていても、児童手当の受給資格があれば併給されます。
また、自治体によっては独自の子育て支援制度を設けている場合があります。これらの地方自治体独自の支援制度については、基本的には育児時短勤務手当金と併用できる場合が多いですが、個別の制度の規定を確認する必要があります。
一時勤務手当金は、非金銭の給付金です。
社会保険料についても、育児時短勤務手当金には社会保険料はかかりません。
育児短時間勤務または部分休業を取得している期間中は、掛金(保険料)の審議はありません。
まとめ:育児時短給付と公務員についてのまとめ
育児時短給付は公務員も利用できる制度
今回は育児時短給付と給付について手順を行いました。以下に、今回の内容を要約します。
・民間企業の従業員は雇用保険から育児時短手当金が支給され、公務員は各職務組合から育児時短手当金が支給される
・ いずれも2025年4月から開始された新制度で、2歳未満の子を養育するために時短勤務をした場合に報酬の最大10%が支給される
・公務員の場合、地方公務員は地方職員職務組合や公立学校職務組合など、国家公務員は各任の職務執行組合から支給される
・育児短時間勤務、一部休業、その他これらに相当する勤務が育児時短勤務として認められる
・支給対象月は育児時短勤務を開始した日の書き込み月から終了した日の書き込み月までで、子が2歳に達する日の前日まで支給される
・支給額は基本的に報酬額の10%ですが、報酬額と手当金の合計が時短勤務前の標準報酬を超えず調整される
・申請手続きは所属所の事務担当者児童手当、手当金は原則として毎月25日に振り替え
・育児休業手当金と同じ月に両方を受け取ることはできず、月の初めから末日まで育児休業手当を受け取っていた月は支給対象外となる
・フレックスタイム制やシフト制勤務でも1週間あたりの所定労働時間短縮されていれば支給対象となる
・雇用保険法規定による育児時短給付金や高年齢雇用継続給付を受ける場合は退職組合からは支給されない
・育児時短勤務手当金は非支給で社会保険料もかからないが、時短勤務中の報酬には通常通り税金と社会保険料がかかる
・児童手当など他の子育て支援制度は基本的に併用が可能である
・給付事由が発生した日の翌日から2年間が請求期限で、この間に請求しないと時効により権利を考える
・短縮後の週の所定労働時間20時間下回る場合は一定の条件を満たさないと支給対象外となる
・2025年4月より前に育児時短勤務を開始していた場合でも、2025年4月1日を開始日とみなして要件を確認し支給される
公務員も民間企業の従業員と同様に、育児時短勤務に対する経済的支援を受けることができます。
この制度を上手に活用することで、子育て期間も安心してキャリアを継続することが可能になります。

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