育児休業給付金は年末調整が必要?手続きの全容を幅広く調査!

育児休業を取得する際に支給される育児休業給付金は、子育て世帯にとって非常に重要な経済的支援です。しかし、この給付金を受け取っている期間の年末調整はどうなるのか、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。「育児休業給付金は収入として申告が必要なのか」「年末調整の手続きはどうすればいいのか」「配偶者の扶養に入れるのか」など、制度が複雑で分かりにくいという声が多く聞かれます。特に初めて育児休業を取得する場合、税金や社会保険の取り扱いについて不安を感じるのは当然のことです。本記事では、育児休業給付金と年末調整の関係について、基本的な仕組みから具体的な手続き方法、注意すべきポイントまで、幅広く調査した内容を詳しく解説していきます。

育児休業給付金と年末調整の基本的な関係

育児休業給付金を受給している場合、年末調整がどのように関わってくるのかを理解するには、まず両者の基本的な性質と関係性を知ることが重要です。ここでは、育児休業給付金の課税関係と年末調整の仕組みについて、基礎から詳しく説明していきます。

育児休業給付金は非課税所得である

育児休業給付金の最も重要な特徴は、非課税所得であるという点です。雇用保険法に基づいて支給されるこの給付金は、所得税法上の非課税所得として扱われるため、所得税も住民税も課税されません。これは給与所得とは明確に異なる点です。給与として受け取るお金は課税対象となり、源泉徴収され、年末調整や確定申告の対象となります。しかし、育児休業給付金は雇用保険から支給される社会保障給付金であり、給与ではないため、税金が一切かからないのです。したがって、育児休業給付金の金額は、年末調整における所得金額の計算に含める必要がありません。年間でいくら受け取ったとしても、その金額を収入として申告する必要はないということです。この非課税の性質は、育児休業を取得する労働者の経済的負担を軽減するための制度設計であり、子育て支援の重要な柱となっています。

年末調整の基本的な仕組み

年末調整は、給与所得者の所得税を精算する手続きです。会社員や公務員などの給与所得者は、毎月の給与から所得税が源泉徴収されています。この源泉徴収額は概算で計算されているため、1年間の実際の所得や各種控除を考慮した正確な税額とは異なることがあります。年末調整は、この差額を精算し、払いすぎた税金を還付したり、不足分を徴収したりする手続きです。年末調整では、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除などの各種控除が適用され、正確な年税額が計算されます。通常は12月の給与支給時に、この精算が行われます。会社や組織の人事部門が手続きを行うため、従業員は必要な書類を提出するだけで、税務署に直接出向く必要はありません。年末調整の対象となるのは、給与所得のみです。給与以外の所得(事業所得、不動産所得、雑所得など)がある場合や、医療費控除、寄附金控除などを受けたい場合は、年末調整では対応できず、確定申告が必要になります。

育児休業給付金受給中でも年末調整は必要

育児休業給付金自体は非課税ですが、育児休業期間中に給与が支払われている場合や、年の途中で育児休業に入った場合など、給与所得がある場合は年末調整が必要です。例えば、4月に出産して5月から育児休業に入った場合、1月から4月までの給与所得については年末調整の対象となります。育児休業中でも会社に在籍している限り、年末調整の対象者であることに変わりはありません。ただし、育児休業期間が長く、その年の給与所得がゼロまたは極めて少額の場合、年末調整をしても還付金が発生しないこともあります。それでも、正確な所得を確定させるため、また翌年の住民税の計算の基礎となるため、年末調整の手続きは行う必要があります。会社からは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」「給与所得者の保険料控除申告書」などの書類が送られてくるので、必要事項を記入して提出します。

育児休業中の給与と社会保険料の扱い

育児休業期間中、原則として会社から給与は支払われません。育児休業給付金が雇用保険から支給されるだけです。ただし、会社によっては育児休業中でも一部の手当を支給するケースがあります。この場合、その手当は給与所得として課税対象となり、年末調整の計算に含める必要があります。一方、社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)については、育児休業期間中は事業主の申出により免除されます。この免除は、労働者本人負担分も事業主負担分も両方が対象となり、保険料を納付しなくても、将来の年金額の計算では保険料を納付した期間として扱われます。社会保険料が免除されている期間については、年末調整における社会保険料控除の対象にもなりません。控除する保険料がないためです。ただし、免除期間前に支払った社会保険料は控除の対象となります。また、国民年金や国民健康保険の保険料を別途支払っている場合は、それらは社会保険料控除の対象となります。

育児休業給付金受給中の年末調整で注意すべきポイント

育児休業給付金が非課税であることを理解した上で、実際に年末調整を行う際には、いくつかの注意すべきポイントがあります。特に配偶者の扶養や各種控除の適用について、正しく理解しておくことが重要です。ここでは、育児休業給付金受給中の年末調整における具体的な注意点を解説します。

配偶者控除・配偶者特別控除への影響

育児休業給付金が非課税であることが、最も大きな影響を与えるのが配偶者控除と配偶者特別控除です。配偶者控除を受けるには、配偶者の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)である必要があります。配偶者特別控除は、配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下(給与収入のみの場合は103万円超201万円以下)の場合に適用されます。ここで重要なのは、育児休業給付金は所得金額の計算に含まれないという点です。つまり、妻が育児休業給付金を年間200万円受け取っていたとしても、その年の給与所得が48万円以下であれば、夫は配偶者控除を受けられるのです。具体例を挙げると、妻が4月から育児休業に入り、1月から3月までの給与収入が60万円、4月以降は育児休業給付金のみを受け取っていた場合、妻の給与所得は60万円-55万円(給与所得控除)=5万円となり、合計所得金額は48万円以下なので、夫は配偶者控除を受けられます。この制度を正しく理解していないと、配偶者控除を受けられるにもかかわらず申請しない、または逆に受けられないのに申請してしまうというミスが発生します。

所得金額の正確な計算方法

年末調整で配偶者控除や配偶者特別控除を受けるためには、配偶者の所得金額を正確に計算する必要があります。所得金額は「収入金額-必要経費」で計算されますが、給与所得の場合は「給与収入-給与所得控除」となります。給与所得控除は、給与収入に応じて自動的に計算される控除で、令和2年以降は最低55万円です。したがって、給与収入が55万円以下であれば、給与所得はゼロとなります。給与収入が103万円の場合、給与所得控除55万円を引いて、給与所得は48万円となります。育児休業中の場合、年の途中まで働いていた期間の給与収入だけを計算に入れます。賞与がある場合は、それも給与収入に含めます。一方、育児休業給付金は前述の通り非課税所得なので、所得計算には一切含めません。出産手当金や出産育児一時金なども非課税所得なので、同様に含めません。配偶者の所得を申告する際は、源泉徴収票をよく確認し、正確な給与収入額を把握することが重要です。年の途中で退職した場合や育児休業に入った場合は、その時点までの源泉徴収票が発行されることもあるので、確認が必要です。

確定申告が必要になるケース

育児休業給付金を受給している場合でも、確定申告が必要になるケースがあります。まず、年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合です。退職した会社で年末調整をしてもらえなかった場合は、自分で確定申告をする必要があります。還付申告となることが多いので、忘れずに行いましょう。次に、2か所以上から給与を受けている場合です。副業をしていたり、転職をして複数の会社から給与を受け取っている場合は、確定申告が必要です。また、給与所得以外の所得(事業所得、不動産所得、雑所得など)が20万円を超える場合も確定申告が必要です。医療費控除を受けたい場合も確定申告が必要です。出産にかかった医療費は高額になることが多く、医療費控除を受けることで税金の還付を受けられる可能性があります。医療費控除は年末調整では手続きできないため、確定申告で行います。住宅ローン控除を初めて受ける場合も確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で手続きできますが、初年度は確定申告が必須です。ふるさと納税の寄附金控除を受ける場合も、ワンストップ特例制度を利用していない場合は確定申告が必要になります。

育児休業給付金と年末調整の関係についてのまとめ

育児休業給付金と年末調整の手続きについてのまとめ

今回は育児休業給付金と年末調整の関係についてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。

・育児休業給付金は雇用保険から支給される非課税所得である

・育児休業給付金には所得税も住民税も一切課税されない

・年末調整では育児休業給付金の金額を所得に含める必要がない

・育児休業中でも給与所得がある場合は年末調整の手続きが必要である

・年の途中で育児休業に入った場合はそれまでの給与所得が年末調整の対象となる

・育児休業給付金は配偶者控除や配偶者特別控除の所得計算に含まれない

・配偶者の給与所得が48万円以下なら給付金受給額に関わらず配偶者控除が受けられる

・育児休業期間中は社会保険料が免除されるため社会保険料控除の対象にならない

・配偶者の所得を申告する際は源泉徴収票で正確な給与収入額を確認する必要がある

・年の途中で退職し年末調整を受けていない場合は確定申告が必要である

・医療費控除や住宅ローン控除の初年度は確定申告で手続きをする必要がある

・給与所得控除は令和2年以降最低55万円で給与収入に応じて自動計算される

・出産手当金や出産育児一時金も非課税所得で所得計算に含まれない

・育児休業中に会社から一部手当が支給される場合はその手当は課税対象となる

・正確な制度理解により適切な控除を受けることで税負担を軽減できる

育児休業給付金と年末調整の関係は、制度の仕組みを理解すれば決して複雑ではありません。育児休業給付金が非課税であることを正しく認識し、配偶者控除などの適用可能な控除を見逃さないようにすることが重要です。不明な点がある場合は、勤務先の人事部門や税務署、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。適切な手続きを行うことで、子育て世帯の経済的負担を少しでも軽減していきましょう。

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