育児介護休業法は、働く人々が仕事と家庭生活を両立させるための重要な法律です。1991年に育児休業法として制定され、1995年に介護休業制度が追加されて以降、社会情勢の変化に応じて何度も改正が重ねられてきました。現在では、育児や介護に直面する労働者の権利を守り、企業に対して必要な制度の整備を義務付ける法律として機能しています。
しかし、この法律の内容は複雑で、実際に育児や介護の必要が生じたときに「自分はどのような制度を利用できるのか」「どのように申請すればよいのか」といった疑問を持つ方は少なくありません。また、企業の人事担当者にとっても、法律に則った適切な運用方法や、従業員からの問い合わせへの対応について悩むケースが多く見られます。
こうした疑問や不安を解消するために、厚生労働省をはじめとする公的機関や専門家によって、育児介護休業法に関するQA(質問と回答)が数多く公開されています。これらのQAは、法律の条文だけでは理解しにくい実務上の取り扱いや、具体的なケースにおける判断基準を示してくれる貴重な情報源となっています。
本記事では、育児介護休業法に関するQAの中から、特に多くの人が疑問に思う項目をピックアップし、詳しく解説していきます。基本的な制度の内容から、実務上の注意点、よくあるトラブル事例まで、幅広くカバーすることで、育児介護休業法について深く理解していただけるような内容となっています。
育児介護休業法のQAでよく聞かれる基本的な質問とは
育児介護休業法に関するQAでは、制度の基本的な内容についての質問が多く寄せられます。法律の対象者や取得条件、手続きの方法など、制度を利用する上で最初に確認すべき事項について、具体的に見ていきましょう。
育児休業の取得要件に関する質問
育児休業の取得要件に関する質問は、QAの中でも特に多い項目です。まず基本となるのが「誰が育児休業を取得できるのか」という点です。育児介護休業法では、原則として1歳未満の子を養育する男女労働者が育児休業を取得できると定められています。これは正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトといった有期雇用労働者も含まれます。
ただし、有期雇用労働者の場合は、いくつかの条件を満たす必要があります。具体的には、子が1歳6か月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでない場合に取得可能とされています。この要件は2022年4月の法改正によって緩和され、以前よりも取得しやすくなりました。改正前は「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件がありましたが、この要件は原則として撤廃されています。
QAでよく見られる質問として「入社してすぐに育児休業は取れるのか」というものがあります。原則としては可能ですが、労使協定を締結している場合は、雇用期間が1年未満の労働者を対象外とすることができます。そのため、自社の就業規則や労使協定を確認することが重要です。
また「育児休業は何回取得できるのか」という質問も多く寄せられます。2022年10月の法改正により、子の出生後8週間以内に取得する「産後パパ育休(出生時育児休業)」と、通常の育児休業を合わせて、原則として子1人につき最大4回まで分割して取得できるようになりました。これにより、両親が協力しながら柔軟に育児休業を取得することが可能となっています。
さらに「配偶者が専業主婦(夫)でも育児休業は取れるのか」という質問もよくあります。答えは「取得可能」です。配偶者の就業状況にかかわらず、要件を満たせば育児休業を取得する権利があります。ただし、労使協定により一定の労働者を対象外とすることは可能です。
育児休業の期間についても多くの質問があります。原則として子が1歳に達するまでですが、保育所に入所できないなどの事情がある場合は、1歳6か月まで、さらに2歳まで延長することができます。延長の際には、所定の手続きと証明書類の提出が必要となります。
介護休業の対象範囲に関する質問
介護休業についても、対象となる家族の範囲や取得条件に関する質問が多く寄せられます。介護休業は、要介護状態にある家族を介護するために取得できる休業制度です。ここでいう「要介護状態」とは、負傷、疾病、身体上または精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態を指します。
対象となる家族の範囲は法律で明確に定められています。具体的には、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫が対象です。QAでは「同居していなければならないのか」という質問がよく見られますが、同居は要件とされていません。別居している親の介護のために介護休業を取得することも可能です。
「要介護状態の判断基準は何か」という質問も頻繁にあります。介護保険制度の要介護認定を受けている場合はもちろん対象となりますが、認定を受けていなくても、実際に常時介護を必要とする状態であれば、介護休業の対象となります。具体的には、食事や排泄、移動などの日常生活動作について、一定の基準に該当する場合に要介護状態と判断されます。
介護休業の取得回数と期間についても質問が多く寄せられます。介護休業は、対象家族1人につき、通算93日まで、3回を上限として分割して取得することができます。2017年の法改正により、それまで1回しか取得できなかった制度が3回まで分割可能となり、より柔軟な取得が可能になりました。
「複数の家族を同時に介護する場合はどうなるのか」という質問もあります。この場合、それぞれの家族について介護休業の権利が発生します。つまり、父と母の両方を介護する必要がある場合、それぞれについて93日ずつ、計186日の介護休業を取得できることになります。
また「介護休業中に介護の必要がなくなった場合はどうすればよいのか」という質問もあります。介護の必要がなくなった場合や、対象家族が死亡した場合は、介護休業は終了します。速やかに会社に報告し、職場復帰の手続きを行う必要があります。
休業期間中の給付金に関する質問
休業期間中の経済的な支援に関する質問も、QAでは非常に多く見られます。育児休業中には「育児休業給付金」が、介護休業中には「介護休業給付金」が、それぞれ雇用保険から支給されます。
育児休業給付金についてよくある質問は「いくらもらえるのか」という点です。給付額は、休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業開始から6か月経過後は50%)となります。ただし、上限額と下限額が設定されており、賃金が高い場合でも上限額以上は支給されません。2024年8月以降の上限額は、休業開始から6か月間は月額31万5,666円、それ以降は月額23万6,200円となっています。
「いつ支給されるのか」という質問も多くあります。育児休業給付金は、原則として2か月ごとに支給されます。初回の支給は、育児休業開始後約3~4か月後となることが一般的です。申請は事業主を通じて行いますが、タイミングによっては支給が遅れることもあるため、生活費の準備をしておくことが推奨されます。
「給付金をもらいながらアルバイトはできるのか」という質問もよく見られます。育児休業中に就労することは可能ですが、一定の条件があります。具体的には、休業期間中の就労日数が各支給単位期間の10日(10日を超える場合は80時間)以下であれば、給付金が支給されます。また、賃金が休業開始時賃金の80%以上支払われた場合は、給付金は支給されません。
介護休業給付金についても同様の質問があります。給付額は、休業開始時賃金日額×支給日数の67%です。介護休業給付金は、介護休業終了後に一括して支給される点が、育児休業給付金と異なります。申請期限は介護休業終了日の翌日から2か月後までとなっているため、期限内に確実に申請することが重要です。
「給付金に税金はかかるのか」という質問もよくあります。育児休業給付金も介護休業給付金も、所得税や住民税は非課税です。また、社会保険料の計算においても収入とはみなされません。ただし、確定申告や年末調整の際には、給付金以外の収入について適切に申告する必要があります。
「給付金をもらうための条件は何か」という質問も重要です。育児休業給付金の場合、休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(ない場合は就業時間数が80時間以上ある月)が12か月以上あることが必要です。介護休業給付金も同様の要件があります。短時間勤務やパートタイムで働いている場合でも、この要件を満たせば給付金を受給できます。
申請手続きの方法に関する質問
育児休業や介護休業を取得する際の手続きに関する質問も、QAでは頻繁に見られます。適切な手続きを行わないと、休業の取得が認められなかったり、給付金が受け取れなかったりする可能性があるため、正確な情報を把握しておくことが重要です。
まず「いつまでに申請すればよいのか」という質問があります。育児休業の場合、原則として休業開始予定日の1か月前までに、事業主に申し出る必要があります。ただし、産後パパ育休(出生時育児休業)の場合は、原則として2週間前までとなっています。また、労使協定により1か月前までとすることも可能です。緊急の場合や予定日よりも早く出産した場合など、やむを得ない事情がある場合は、1か月を切っていても申し出ることができます。
介護休業の場合は、原則として休業開始予定日の2週間前までに申し出る必要があります。ただし、突発的な事情で介護が必要になった場合など、2週間前までの申し出が困難な場合は、できる限り速やかに申し出ることが求められます。
「どのような書類が必要か」という質問も多くあります。育児休業の申し出には、通常「育児休業申出書」を会社に提出します。この申出書には、休業開始予定日や休業終了予定日、子の氏名や生年月日などを記載します。会社によっては独自の書式を用意していることもあるため、人事部門に確認することが必要です。また、子の出生を証明する書類(母子手帳のコピーなど)の提出を求められることもあります。
介護休業の申し出には、「介護休業申出書」を提出します。対象家族の氏名、続柄、要介護状態にある事実などを記載する必要があります。要介護状態であることを証明する書類の提出を求められる場合もありますが、診断書の提出までは義務付けられていません。ただし、会社が要介護状態について疑義を持つ合理的な理由がある場合は、証明書類の提出を求めることができます。
「申請を撤回したり変更したりできるのか」という質問もあります。育児休業の場合、休業開始予定日の前日までであれば、申し出を撤回することができます。ただし、同じ子について再度の申し出ができるのは、原則として1回のみです(配偶者の死亡や病気など、特別な事情がある場合を除く)。休業終了予定日を繰り上げる場合は、終了予定日の1か月前までに事業主に申し出る必要があります。
「会社が申請を拒否することはできるのか」という質問も重要です。要件を満たしている労働者からの育児休業や介護休業の申し出を、事業主が拒否することはできません。これは法律で保障された権利です。ただし、労使協定により、入社1年未満の労働者や、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者などを対象外とすることは可能です。また、申し出の時期や方法が適切でない場合は、取得開始日の調整を求められることがあります。
「上司や同僚に反対されたらどうすればよいのか」という質問もあります。労働者の休業取得を理由とする不利益な取り扱いは、法律で禁止されています。上司や同僚の反対によって休業を諦める必要はありません。もし不当な扱いを受けた場合は、会社の人事部門や労働基準監督署、都道府県労働局の雇用環境・均等部などに相談することができます。
育児介護休業法のQAから見る実務上のポイント
育児介護休業法を実際に運用する際には、法律の条文だけでは判断が難しい場面に遭遇することがあります。ここでは、QAの内容から見えてくる、企業と従業員双方が知っておくべき実務上の重要なポイントについて解説します。
企業側が注意すべき事項
企業が育児介護休業法を適切に運用するためには、法律で義務付けられている事項を正確に理解し、実践することが不可欠です。QAでは、企業側からの「どこまで対応する義務があるのか」という質問が多く見られます。
まず重要なのが、就業規則への規定です。常時10人以上の労働者を使用する事業主は、育児休業や介護休業に関する事項を就業規則に記載しなければなりません。記載すべき内容は、育児休業や介護休業の対象者、申し出の手続き、休業期間、休業中の待遇などです。厚生労働省が提供している規定例を参考にすることができます。
育児介護休業法では、制度の周知義務も定められています。2022年4月の改正により、妊娠・出産の申し出をした労働者や、家族の介護を行う労働者に対して、個別に制度の周知と取得の意向確認を行うことが義務化されました。単に社内掲示板に情報を掲載するだけでなく、面談や書面、電子メールなどで個別に情報提供することが求められます。
「育児休業の取得を理由に不利益な取り扱いをしてはならない」という原則も重要です。具体的には、解雇、雇止め、降格、減給、不利益な配置転換、昇進や昇格の人事考課における不利益な評価などが禁止されています。QAでは「休業期間を賞与の算定期間から除外することは可能か」という質問がありますが、これは制度の設計による合理的な取り扱いであれば認められる場合があります。ただし、休業取得を理由とした懲罰的な措置は違法となります。
ハラスメント防止措置も企業の義務です。育児休業や介護休業の申し出・取得を理由とした上司や同僚による嫌がらせ(いわゆる「マタハラ」「パタハラ」「ケアハラ」)を防止するため、企業は相談窓口の設置、ハラスメント防止の方針の明確化と周知、事後の迅速な対応などの措置を講じる必要があります。
短時間勤務制度や所定外労働の制限など、育児や介護をしながら働き続けるための支援措置も義務付けられています。3歳未満の子を養育する労働者に対しては、1日の所定労働時間を原則として6時間とする短時間勤務制度を設けなければなりません。また、小学校就学前の子を養育する労働者や、要介護状態の家族を介護する労働者からの請求があった場合、所定外労働を制限する必要があります。
記録の保存も重要な実務事項です。育児休業や介護休業の申し出、取得に関する記録は、適切に保存しておく必要があります。労働基準監督署からの調査や、労働者からの問い合わせに対応できるよう、申出書の控え、承認の記録、給付金申請の記録などを整理して保管しておくことが推奨されます。
企業規模が小さい場合でも、基本的な義務は同じです。QAでは「従業員が数名の小規模事業所でも育児休業を認めなければならないのか」という質問がありますが、答えは「認めなければならない」です。ただし、特定の業種や労働者について、労使協定により適用除外とすることは可能です。
従業員が知っておくべき権利
従業員側も、自分が持っている権利を正確に理解しておくことが重要です。QAには、「こんな場合でも権利を主張してよいのか」という不安から寄せられる質問が多く見られます。
まず、育児休業や介護休業は法律で保障された権利であり、会社の許可を得る必要はないという点を理解しておくべきです。要件を満たしている場合、適切な手続きを踏めば、会社は拒否することができません。「人手不足だから」「繁忙期だから」といった理由で取得を拒否されることはあってはならないのです。
パート、アルバイト、契約社員などの有期雇用労働者も、一定の要件を満たせば育児休業や介護休業を取得できます。「正社員ではないから無理」と諦める必要はありません。2022年4月の法改正により、有期雇用労働者の取得要件が緩和されたため、以前よりも多くの方が制度を利用できるようになっています。
男性も育児休業を取得する権利があります。「育児休業は女性のもの」という認識は誤りです。むしろ、2022年10月から始まった産後パパ育休は、男性の育児参加を促進するために創設された制度です。配偶者が専業主婦であっても、男性が育児休業を取得することは可能です。
育児休業や介護休業を理由とした不利益な取り扱いは法律で禁止されています。もし、休業を申し出たことで降格された、賞与を減額された、契約を更新してもらえなかったなどの不利益を受けた場合は、違法である可能性があります。まずは会社の人事部門に相談し、改善が見られない場合は、労働局の雇用環境・均等部や労働基準監督署に相談することができます。
ハラスメントを受けた場合の対処方法も知っておくべきです。「育児休業を取るなんて迷惑だ」「男のくせに育休を取るのか」といった発言や、休業から復帰した後に嫌がらせを受けるなどの行為は、育児休業等に関するハラスメントに該当する可能性があります。会社には相談窓口を設置する義務があるため、まずは窓口に相談しましょう。会社が適切に対応しない場合は、外部の相談機関を利用することも可能です。
給付金の受給権も重要な権利です。要件を満たしている場合、育児休業給付金や介護休業給付金を受給する権利があります。会社の業績や規模にかかわらず、雇用保険から支給されるものですから、遠慮する必要はありません。ただし、申請期限があるため、期限内に確実に申請することが重要です。
復職後の配置や処遇についても権利があります。育児休業や介護休業から復帰した後は、原則として原職または原職相当職に復帰させることが望ましいとされています。休業を理由に不利益な配置転換をされた場合は、違法となる可能性があります。
短時間勤務や残業免除などの制度を利用する権利も知っておくべきです。3歳未満の子を養育する場合や、家族の介護をする場合には、さまざまな働き方の選択肢があります。育児休業を取得せずに働き続ける場合でも、これらの制度を利用することで、仕事と家庭の両立がしやすくなります。
トラブル事例とその対処法
育児介護休業法に関するQAには、実際に発生したトラブルについての相談も多く寄せられます。ここでは、よくあるトラブル事例と、その対処法について解説します。
最も多いトラブルの一つが、会社が育児休業や介護休業の取得を認めないケースです。「今は忙しいから」「代わりの人がいないから」といった理由で取得を拒否されたという相談があります。しかし、要件を満たしている労働者の申し出を、事業主が拒否することは違法です。まずは書面で正式に申し出を行い、それでも認められない場合は、労働局の雇用環境・均等部に相談することが有効です。行政指導により、多くの場合は解決に至ります。
育児休業や介護休業を理由とした不利益な取り扱いも、頻繁に報告されるトラブルです。休業から復帰した後に、降格された、給与を減額された、閑職に異動させられた、といった事例があります。これらは原則として違法な取り扱いです。証拠を集めた上で、会社に改善を求め、応じない場合は労働局や弁護士に相談することを検討すべきです。
ハラスメントに関するトラブルも深刻です。特に男性が育児休業を取得する際に、上司から「男のくせに」「キャリアを諦めるのか」といった発言をされるケースが報告されています。また、妊娠を報告した女性社員に対して、退職を促すような発言がなされることもあります。このようなハラスメントは、会社の相談窓口に報告し、適切な対応を求めるべきです。会社が対応しない場合は、労働局に相談することができます。
給付金に関するトラブルもあります。会社が給付金の申請手続きに協力してくれない、申請が遅れて給付金の支給が遅くなった、といった相談が寄せられます。育児休業給付金や介護休業給付金の申請は、事業主を経由して行うのが原則ですが、事業主が協力しない場合は、労働者本人が直接ハローワークに申請することも可能です。必要な書類や手続きについては、ハローワークに相談しましょう。
有期雇用労働者に関するトラブルも多く見られます。「契約社員だから育児休業は取れないと言われた」という相談がありますが、要件を満たしていれば有期雇用労働者も取得できます。会社の認識が誤っている可能性があるため、法律の内容を説明し、理解を求めることが必要です。それでも認められない場合は、労働局に相談すべきです。
育児休業や介護休業の期間延長に関するトラブルもあります。保育所に入所できなかったため休業を延長したいと申し出たところ、会社から拒否されたというケースです。法律で定められた延長事由に該当する場合、会社は延長を認めなければなりません。延長事由を証明する書類(保育所の不承諾通知など)を提出し、正式に申し出を行うことが重要です。
復職後の働き方に関するトラブルも発生します。育児休業から復帰した後、短時間勤務を希望したにもかかわらず、会社が認めてくれないという相談があります。3歳未満の子を養育する労働者には、短時間勤務制度を利用する権利があります。会社には制度を設ける義務があるため、拒否は原則として認められません。
トラブルが発生した場合の相談先としては、まず会社内の人事部門や相談窓口があります。それでも解決しない場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部に相談できます。ここでは無料で相談に応じてもらえ、必要に応じて会社への行政指導も行われます。また、労働基準監督署、弁護士、労働組合なども相談先となります。泣き寝入りせず、適切な機関に相談することが、自分の権利を守るために重要です。
まとめ
育児介護休業法のQAについてのまとめ
今回は育児介護休業法のQAについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・育児介護休業法のQAは法律の実務的な適用方法を理解するための重要な情報源である
・育児休業は原則として1歳未満の子を養育する男女労働者が取得でき、有期雇用労働者も一定の要件を満たせば対象となる
・2022年の法改正により、育児休業は分割して取得できるようになり、産後パパ育休も創設された
・介護休業は要介護状態の家族を介護するために取得でき、対象家族1人につき通算93日まで3回に分割可能である
・育児休業給付金は休業開始時賃金の67%(6か月経過後は50%)が支給され、介護休業給付金は67%が支給される
・育児休業の申し出は原則として休業開始予定日の1か月前まで、介護休業は2週間前までに行う必要がある
・企業は就業規則への規定、制度の周知、ハラスメント防止措置などを講じる義務がある
・育児休業や介護休業を理由とした不利益な取り扱いは法律で禁止されている
・パートやアルバイト、契約社員などの有期雇用労働者も要件を満たせば休業を取得できる
・男性も育児休業を取得する権利があり、配偶者の就業状況にかかわらず取得可能である
・会社が休業の取得を拒否する、不利益な取り扱いをするなどのトラブルが発生した場合は労働局に相談できる
・育児休業や介護休業から復帰した後は、原則として原職または原職相当職に復帰することが望ましいとされる
・短時間勤務制度や所定外労働の制限など、育児や介護をしながら働き続けるための支援措置も法律で定められている
・給付金の申請は事業主を経由して行うが、事業主が協力しない場合は労働者本人が直接ハローワークに申請できる
・トラブルが発生した際は証拠を集め、会社内の相談窓口、労働局、弁護士などに相談することが重要である
育児介護休業法のQAを活用することで、制度の詳細な内容や実務上の取り扱いについて理解を深めることができます。自分の権利を正確に把握し、必要なときに適切に行使できるよう、日頃から情報収集しておくことが大切です。また、企業側も法律を正しく理解し、従業員が安心して制度を利用できる環境を整えることが求められています。

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